君のことがずっと好きだった・・・今度こそ君を守る
試合当日。聡は1年生ながらベンチ入りをはたした。

「聡ー。緊張してんのか。まあ気負わず頑張ろうぜ。」
純が話しかける。

「はい。ありがとうございます。頑張ります。予選なのにこんなたくさん応援来てもらえるんですね。」

「ほとんど廉のだけどな。たまに大地のファンとかもいるけど。ほら、うちわとか持ってる子もいるだろ。」

「ほんとだ。すごいですね。芸能人みたいです。」

「あの応援を自分に受けてると思ってやるといいぜ。」

「どういうことですか?」

「俺じゃなくて、廉に向けたものだと思うと寂しいだろ。廉とは同じチームなんだし、おれが活躍するとチームが勝つ。チームが勝つことは廉のファンも願ってることなんだから俺への応援でもあるって思うわけよ。そして、いいとこ見せたら、俺のファンになってくれる子も現れるかもしれない。」

「なるほどです。さすが純さん。」

「だてに3年間同じチームでやってねーんだよ。俺なりに頑張る方法考えてんの。」

そう言って純は笑った。
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