婚約相手は最強悪魔~花魔法使いの令嬢は花粉症の悪魔と恋をする。
「魔力を渡そう」
ヴェルゼの手から青っぽい光が出てきて、それを私に向かって放った。
「花を、もう一度出してみるといい」
魔力を本当に送ってくれたのか、力がみなぎる気がした。軽く魔法で花を出してみると、すごい勢いで手から花が沢山出てきて、辺り一面花だらけになる。はっとして、手の平をみた。
「ヴェルゼ様が、ルピナス様のために魔力を……」
手の平を眺めていると、後ろから声がした。振り向くと白い衣を身に纏い、短く艶やかな白髪が似合っていて、これまたヴェルゼに負けない程に美しい男が立っていた。
「初めまして、わたくしは悪魔エアリーと申します。ヴェルゼ様の執事をしております。以後、お見知りおきを」
「わたくしは、ルピナスと申します」
お互いに自らの手を胸に添え、自己紹介をし合う。
「ヴェルゼ様の魔力はまだ完全に復活したわけではないのに、それでもお渡しになるとは……やはりあの時から本当にヴェルゼ様のお心の中にはルピナス様が……」
ヴェルゼの表情が尖る。
「おふたりはもっとお互いを知っていた方がよかったのです。あの時もお互いをもっと知っていれば……」
「だまれ……」
ヴェルゼは手から何かを出そうとした。
「申し訳ございません、ヴェルゼ様」
エアリーはヴェルゼにバレないように、私に向かって目配せをした。これは後で教えてくれるという合図だろうか。解読は難しい。
***
ヴェルゼの手から青っぽい光が出てきて、それを私に向かって放った。
「花を、もう一度出してみるといい」
魔力を本当に送ってくれたのか、力がみなぎる気がした。軽く魔法で花を出してみると、すごい勢いで手から花が沢山出てきて、辺り一面花だらけになる。はっとして、手の平をみた。
「ヴェルゼ様が、ルピナス様のために魔力を……」
手の平を眺めていると、後ろから声がした。振り向くと白い衣を身に纏い、短く艶やかな白髪が似合っていて、これまたヴェルゼに負けない程に美しい男が立っていた。
「初めまして、わたくしは悪魔エアリーと申します。ヴェルゼ様の執事をしております。以後、お見知りおきを」
「わたくしは、ルピナスと申します」
お互いに自らの手を胸に添え、自己紹介をし合う。
「ヴェルゼ様の魔力はまだ完全に復活したわけではないのに、それでもお渡しになるとは……やはりあの時から本当にヴェルゼ様のお心の中にはルピナス様が……」
ヴェルゼの表情が尖る。
「おふたりはもっとお互いを知っていた方がよかったのです。あの時もお互いをもっと知っていれば……」
「だまれ……」
ヴェルゼは手から何かを出そうとした。
「申し訳ございません、ヴェルゼ様」
エアリーはヴェルゼにバレないように、私に向かって目配せをした。これは後で教えてくれるという合図だろうか。解読は難しい。
***