勇者の子達の行く道は

師匠と呼ばれる少年

ドアを開けた先には大量の本が部屋一面にズラリと並べられ、所々に本の山ができていた。そして部屋の中央にポツンと本に囲まれた椅子があった

「師匠どこにいるー?」

「…なんだ、ザンカせっかくいいとこだったというのに」

声が聞こえた方に目を向けると黒い髪に赤みがかってる紫色の目を持つ俺と同い歳ぐらいの少年が本の山から出てきた

「いや、前もって言ってたよね?
今日は人が来るから午後本読んでないようにって」

「そんなこと言ってたな
人ってのは…なんだブイとホーか。なら本読んでてもいいだろ」

フューシクト公爵と話すその少年の目には俺が写ってないのか兄貴と姉貴の愛称だけが呼ばれた

兄貴たちを愛称で呼んでる!?
呼んでるの見たことあるのジープロディの兄たちだけだったので衝撃が半端なかった

「師匠今日は俺たちの弟連れてくるって言ったよな?」

「……」

「また忘れてたのね」

「まぁいい師匠こいつが弟のルイだ」

兄貴の言葉に続いて名前を言う

「ルイーファシ・ヒールロです」

「我はストローグ。
ブイとホーの弟ならば…親はムーティヒだな」

親父のことを知ってる!?しかも呼び捨て!?

少年…ストローグの衝撃的な発言にその場でかたまった

「ししょ〜?言ったよね?俺たち以外の人がいる時はその言い方アウトだって
理解してないの?ねぇ?」

「うっ忘れてただけだ!!」

「忘れてたって…いつも言ってるよね?大事なことなんだよ?」

かたまっていたのから大分落ち着いて気がつくと何やらフューシクト公爵からストローグへのお説教が始まっていた

「はぁまた始まった…」

「いつもよくやるわね」

あれは兄貴たちからの会話にして恒例のようだ
それと今までの会話からして兄貴たちやフューシクト公爵の師匠を俺と対して変わらないのに務めてるあたりすごい人なのだろうと思うが…

「すげぇ忘れん坊?」

「フハッ…っ…フ
よく言ったそうだすぐ忘れるんだよ師匠は」

「歳かしらね?」

「ブイ!ホー!聞こえてるぞ!!
人で言えばまだ15、6の歳のはずだ!!」

ん?人で言えば?

「あ"!?師匠!!だから正体がバレかれること言わないようにって!!」

「…お主のそれでバレるわ」

「…」

「まぁいいじゃんかよどうせこいつも弟子入りだし」

「え"!?」

「「「え?/は?」」」

弟子入り?何の話しだ?
その場で初めて聞く言葉に混乱して?を浮かべているとそれを見たフューシクト公爵が兄貴たちに迫った

「説明は!?」

「したはずだ…」

「…ないわね
しようとしていた日ルイに全部話す前にキャパオーバーで気絶してたわ」

キャパオーバー…3日前のことだ
聞いてない一切聞いた覚えのないことで頭が埋め尽くされる

「…バカかい?」

「「…」」

フューシクト公爵にそう言われ兄貴たちはシュンとなった

「まぁ起きたものは仕方ない…
ルイーファシくん君には師匠に弟子入りしてもらうよ」

「マジですか…」

何やら本人の意思は関係なく弟子入りが確定していまいました。
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