星空の下でいつまでも君を想う


特に好きな話がこれなんです。と言って彼の腕の中にある本を指さした。



あ、しまった。ついいつもの癖で語ってしまった。


咲妃にもよく言われているのに。



引かれてない、よね……



すると彼は少し驚きながら応えた、


「マジ!?俺もこの小説家好きなんだ、よく読むよ。…それにしても全制覇は凄いね!」


ふわりと笑う彼に思わずドキッとしてしまう。


それから私は、熱くなる頬を隠しながら仕事に戻った。


今日の私は少しおかしいのかもしれない、初めて会った彼に自然と心を許してしまう…


感じたことのない感情が私の心をぐるぐるかき乱す。


それは彼の纏う雰囲気のせいか、それとも私に何も感じさせない彼の自然な言動のせいなのか…



………私がこの気持ちに気づくのはもう少し後のこと。






6:30

ピピピッ、ピピピッ    ……カチッ


いつも通りの朝。


入学してから2ヶ月もすれば流石に朝も慣れてくる。


最近だと、目覚まし時計が鳴る1分前には起きれることがほとんど。


……いや、毎回1分前に起きれるってすごいことだよね!?


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