音で繋がる

1.当たり前の日常

私は看護師歴5年目として病棟で働いている。




入職してから変わらず同じ病院で働き、若干ブラック気質を持ち合わせている病棟で日々パワハラとセクハラに耐えながら業務している。


ブラック気質のために同期が一人一人と辞めていくのを見送ってきた。



私は転職を考えることもあるが就活が面倒という理由だけで、転職する気力はない。

看護師になり5年がたった今、業務を淡々とこなすだけの日々を送っている。


-プルルルッ
ナースステーションにコール音が鳴り響く。

「田中さん、どうしました?」
術後1日目の患者さんよりナースコールあり訪室すると、

「看護師さん、ちょっとお腹が痛くて痛み止めもらえませんか?」

「わかりました。お腹のどこか1番痛いですか」

「手術したところが痛んで、動くのが辛いです」

術後1日目だし、痛いのもしょうがない。
痛み止めって指示あったかな。。。

「先生に確認してみましょうね」


一旦ナースステーションに戻ってPHSで主治医に
連絡する。

「お疲れ様です。昨日オペした田中さんですけど、創部の痛みを訴えていて内服ではなく点滴で対応してもいいですか?」

「いいよ〜、とりあえずカルテに記録もよろしく」

点滴の準備して田中さんのとこに行く。
「痛み止めの点滴をしましょうね。30分程度で終わりますからね」


それから記録してと今日の業務を終わらせていく。



17時半

よし、記録終わった〜。
今日こそは早く帰らなきゃ!!!

帰り支度して師長に報告する。
「今日は用事があるのでお先に失礼します。」

「お疲れ様〜。」

職場の管理職のみが知る私の秘密。




久しぶりの定時帰宅。
この仕事をしているとなかなか定時なんてあってないようなもの。
こんなの当たり前だから慣れている。

だけど、今日という日は遅れちゃいかん。

私のもう一つの本業としての打ち合わせがあるのだ。


作曲家フェリシアとしての仕事が、、、、、

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