明日の恋人
第四章
そして、それから文化祭の準備が本格的に始まった。
演技をするのは久しぶりだったし、演技をすることで家族のことをもっと思い出してしまいそうで怖かったけれど、案外何の問題もなく練習は進んだ。
今日も役者メンバーで練習をした。
もちろん私は劇団アリスでの経験で、上手く演じられていると思うし、久しぶりに誰かと一緒に演じるのは何だかとても楽しい。
星菜ちゃん本当すごいねー!なんて委員長や役者メンバーが言う。
「そうかなぁ」と言いながら演技の楽しさを噛み締める。
でも…
家族は死んだのに、私だけ楽しんでいいの?…
なんで、私だけ楽しく生きているの?…
目の前には、楽しそうに盛り上がっているみんながいる。でも私はこの中にいちゃだめじゃないかな…
そう考えていると、激しい頭痛が私を襲った。
辛い事を考えていると、いつもこうなる。
少しフラフラしながらも、ここにいるわけにはいかないと思い、教室を抜け出し、階段を上がる。
うっ…
私はやっとの思いで屋上の扉にもたれかかってしゃがみ込む。
だが、それでも頭痛はおさまらなくて、瞼を閉じる。
それからしばらくそうしていたけれど、また同じようなことを考えてしまうだけで、良くなんてならなかった。
「え、有坂さん!?」
驚いて目を開け、顔を上げると、目の前には、心配そうな顔をした音瀬くんが立っていた。
演技をするのは久しぶりだったし、演技をすることで家族のことをもっと思い出してしまいそうで怖かったけれど、案外何の問題もなく練習は進んだ。
今日も役者メンバーで練習をした。
もちろん私は劇団アリスでの経験で、上手く演じられていると思うし、久しぶりに誰かと一緒に演じるのは何だかとても楽しい。
星菜ちゃん本当すごいねー!なんて委員長や役者メンバーが言う。
「そうかなぁ」と言いながら演技の楽しさを噛み締める。
でも…
家族は死んだのに、私だけ楽しんでいいの?…
なんで、私だけ楽しく生きているの?…
目の前には、楽しそうに盛り上がっているみんながいる。でも私はこの中にいちゃだめじゃないかな…
そう考えていると、激しい頭痛が私を襲った。
辛い事を考えていると、いつもこうなる。
少しフラフラしながらも、ここにいるわけにはいかないと思い、教室を抜け出し、階段を上がる。
うっ…
私はやっとの思いで屋上の扉にもたれかかってしゃがみ込む。
だが、それでも頭痛はおさまらなくて、瞼を閉じる。
それからしばらくそうしていたけれど、また同じようなことを考えてしまうだけで、良くなんてならなかった。
「え、有坂さん!?」
驚いて目を開け、顔を上げると、目の前には、心配そうな顔をした音瀬くんが立っていた。