憧れの副操縦士は、許嫁でした~社長の隠し子CAは、パイロットにすべてを捧げられる~
四方を囲むように一本ずつ残りを挿し、メインとなる花を四本選ぶ。
バランスよく葉っぱや小花で隙間を埋めていけば、それなりのものができ上がると聞いて、そのアドバイス通りに実践しようと決めた。
「旦那様と結婚してから、お嬢様は変わりましたよね~」
女子会と宣言していた時から、嫌な予感がしていたのだけれど……。
やっぱり航晴の話になるのかと、私は警戒心を高めた。
「あたし、ずっと心配だったんです。ずっと孤独に、戦っているイメージがあったので。刺々しいイメージがなくなって、魅力的な女性になったと社内でも評判ですよ!」
「……社内の評判なんて、気にしてどうするの。大事なのは、航晴にどう思われているかよ」
「副操縦士は、お嬢様が大好きですよね?」
「永遠に、好きでい続けてくれる理由はないわ。今日だって……彼から求められても、応えられなくて……。そういうのって、男性的には冷めるでしょ」
「うーん。あたしは男性じゃないので、わかんないですけど……。旦那様は、お嬢様と愛し合うためにお仕事を頑張るって出て行きましたよね。帰って来たとき、拒絶しなければ大丈夫だと思いますよ」
頑張ったご褒美に、拒絶することなく受け入れる。
それができないかもしれないから、不安になっているんじゃない。
わかってないのね。
そうやって彼女を拒絶するのは簡単だ。
けれど……それではいけないと思い直せるようになったのは……航晴のお陰かもしれないわ。
「こういうのって、よくないと思うのよ」
「何がですか?」
「自分で決めた考えを、あとからコロコロ変更すること。子どもなんて、作るつもりはなかった。生涯独身で、CAとして働き続けるつもりで生きてきたのに……今は、やめてもいいかなと思い始めている」
「このお屋敷が安心できる場所として、お嬢様から認識されてるってことじゃないですか! ぜひ、旦那様にも教えてあげてください! きっと、喜びますよ~」
「どうかしら……」
優柔不断にも、程があるわ。
彼の妻になってから、芯がブレ始めている。
このまま真っ直ぐに突き進めば、いつか取り返しのつかないことが起きてしまいそうで……恐ろしかった。
バランスよく葉っぱや小花で隙間を埋めていけば、それなりのものができ上がると聞いて、そのアドバイス通りに実践しようと決めた。
「旦那様と結婚してから、お嬢様は変わりましたよね~」
女子会と宣言していた時から、嫌な予感がしていたのだけれど……。
やっぱり航晴の話になるのかと、私は警戒心を高めた。
「あたし、ずっと心配だったんです。ずっと孤独に、戦っているイメージがあったので。刺々しいイメージがなくなって、魅力的な女性になったと社内でも評判ですよ!」
「……社内の評判なんて、気にしてどうするの。大事なのは、航晴にどう思われているかよ」
「副操縦士は、お嬢様が大好きですよね?」
「永遠に、好きでい続けてくれる理由はないわ。今日だって……彼から求められても、応えられなくて……。そういうのって、男性的には冷めるでしょ」
「うーん。あたしは男性じゃないので、わかんないですけど……。旦那様は、お嬢様と愛し合うためにお仕事を頑張るって出て行きましたよね。帰って来たとき、拒絶しなければ大丈夫だと思いますよ」
頑張ったご褒美に、拒絶することなく受け入れる。
それができないかもしれないから、不安になっているんじゃない。
わかってないのね。
そうやって彼女を拒絶するのは簡単だ。
けれど……それではいけないと思い直せるようになったのは……航晴のお陰かもしれないわ。
「こういうのって、よくないと思うのよ」
「何がですか?」
「自分で決めた考えを、あとからコロコロ変更すること。子どもなんて、作るつもりはなかった。生涯独身で、CAとして働き続けるつもりで生きてきたのに……今は、やめてもいいかなと思い始めている」
「このお屋敷が安心できる場所として、お嬢様から認識されてるってことじゃないですか! ぜひ、旦那様にも教えてあげてください! きっと、喜びますよ~」
「どうかしら……」
優柔不断にも、程があるわ。
彼の妻になってから、芯がブレ始めている。
このまま真っ直ぐに突き進めば、いつか取り返しのつかないことが起きてしまいそうで……恐ろしかった。