憧れの副操縦士は、許嫁でした~社長の隠し子CAは、パイロットにすべてを捧げられる~
彼にたくさんの愛を注いで貰ったからこそ、今があるの。
素直な気持ちを乗せたお礼は、しっかりと受け取ってほしいものだわ。
「移動するか」
「そうね。でも……イルミネーションのメイン会場は、サウスパークのほうよね? 左に曲がるんじゃ……」
「いや。こちらの方角で合っている。少し距離はあるが、あそこならきらびやかな光景がよく見えるはずだ」
「それって……」
車はBCストリートから右に逸れ、裏道を経由してある施設の前で停車した。
ホテルベリーズに宿泊するのかと身構えたけれど、どうやら今日の目的地は違う場所みたい。
航晴が私を連れてきた場所は――。
「ここって……」
「ツインタワーだ」
双子の超高層ビルが肩を並べる、シンボルタワーの前だった。
車から降りた私は、空を見上げても先端が見えないほど高い場所を見上げる。
ここからイルミネーションを見るのならば、人混みは気にしなくても良さそうだけれど……。
確か、中層階までは大手有名企業の軒を連ねるオフィスビルとして名高く、上へ行くにつれて出入りが制限されていたはずよね。
展望台は一般開放されているけれど……。
チケットが数百万単位で販売されており、富裕層以外の来場を想定していないとテレビで批判を浴びていたような……?
「ねぇ、展望台って、高いのよね?」
「ああ。高さ550mの場所にある」
値段のことを聞いたのだけれど、航晴は展望台の高さを聞かれたと勘違いしたらしい。
エレベーターに乗り込みドアを閉めた彼は、当然のように〝展望デッキはこちら〟と書かれたボタンを押す。
真横に搭載されていた認証機にICチップが搭載されているカードを触れると、その機械が赤から緑に光り、エレベーターはものすごい速さで上を目指す。
「きゃ……っ」
「バランスを崩したら、危ないぞ」
「あ、ありがとう……。ロケットを象った、アトラクションに乗っているみたいね……」
突如感じた浮遊感に怯えた声を出せば、見かねた航晴が転ばないように抱きしめてくれる。
車で移動している最中は、あんなに不機嫌だったのに……。
キラキラと光るイルミネーションを見学したあとだからか、機嫌は悪くなさそうに見える。
素直な気持ちを乗せたお礼は、しっかりと受け取ってほしいものだわ。
「移動するか」
「そうね。でも……イルミネーションのメイン会場は、サウスパークのほうよね? 左に曲がるんじゃ……」
「いや。こちらの方角で合っている。少し距離はあるが、あそこならきらびやかな光景がよく見えるはずだ」
「それって……」
車はBCストリートから右に逸れ、裏道を経由してある施設の前で停車した。
ホテルベリーズに宿泊するのかと身構えたけれど、どうやら今日の目的地は違う場所みたい。
航晴が私を連れてきた場所は――。
「ここって……」
「ツインタワーだ」
双子の超高層ビルが肩を並べる、シンボルタワーの前だった。
車から降りた私は、空を見上げても先端が見えないほど高い場所を見上げる。
ここからイルミネーションを見るのならば、人混みは気にしなくても良さそうだけれど……。
確か、中層階までは大手有名企業の軒を連ねるオフィスビルとして名高く、上へ行くにつれて出入りが制限されていたはずよね。
展望台は一般開放されているけれど……。
チケットが数百万単位で販売されており、富裕層以外の来場を想定していないとテレビで批判を浴びていたような……?
「ねぇ、展望台って、高いのよね?」
「ああ。高さ550mの場所にある」
値段のことを聞いたのだけれど、航晴は展望台の高さを聞かれたと勘違いしたらしい。
エレベーターに乗り込みドアを閉めた彼は、当然のように〝展望デッキはこちら〟と書かれたボタンを押す。
真横に搭載されていた認証機にICチップが搭載されているカードを触れると、その機械が赤から緑に光り、エレベーターはものすごい速さで上を目指す。
「きゃ……っ」
「バランスを崩したら、危ないぞ」
「あ、ありがとう……。ロケットを象った、アトラクションに乗っているみたいね……」
突如感じた浮遊感に怯えた声を出せば、見かねた航晴が転ばないように抱きしめてくれる。
車で移動している最中は、あんなに不機嫌だったのに……。
キラキラと光るイルミネーションを見学したあとだからか、機嫌は悪くなさそうに見える。