憧れの副操縦士は、許嫁でした~社長の隠し子CAは、パイロットにすべてを捧げられる~
天倉家
「今日からここが、君の家だ」
私を抱き上げたまま車から降りた航晴は、高級感溢れる真っ白な外壁が印象的なある住宅の前でそう告げた。
「えぇ……」
ノースエリアの町並みが成金仕様でなくてよかったと、ホッとしたのもつかの間。
自宅は一般的な二階建て住宅とは思えぬほど、建物が大きい。
「こんな豪邸に今日から住めと言われても……受け入れられないんだけど……」
「千晴が受け入れられなくとも、ご夫婦はここで暮らすことになる。君が嫌がったとしても、実家になるんだ。間取りは把握しておいても、損はないと思うが」
「……あなたはすでに、把握しているの?」
「ああ。千晴を案内してやりたかったからな」
ここで柔らかく微笑むのは、反則でしょ!?
私は真正面から彼の笑みを受け止めてしまい、顔を真っ赤にしながら両手で覆う。
何やってるの。ときめいている場合じゃないわ!
副操縦士に憧れを抱いている気持ちは、心の奥底に留めなければならないのに……!
「顔が赤くなったな」
「き、気のせいよ!」
「熟した果実のようで、食べてしまいたくなる……」
「……っ!?」
彼は赤く染まった私の顔へ誘われるように顔を近づけ――額に口づけを落とした。
きっと、頬と唇は両手で押さえつけていたからだろう。
助かったと思う反面、なんてキザな男なんだと怒りが湧いてくる。
「な、何するのよ!?」
「早く千晴のすべてを、味わいたい……」
「答えになってないけど!?」
「……無理強いはよくないからな。今日は、これで我慢しよう」
「話聞いてる!?」
駄目だ。全然会話が成立しない……!
彼は私の額に口づけを落とすことで満足したらしく、ワーキャー騒ぐこちらの声など気にした様子もなく涼しい顔で天倉の家に入ってしまった。
私を抱き上げたまま車から降りた航晴は、高級感溢れる真っ白な外壁が印象的なある住宅の前でそう告げた。
「えぇ……」
ノースエリアの町並みが成金仕様でなくてよかったと、ホッとしたのもつかの間。
自宅は一般的な二階建て住宅とは思えぬほど、建物が大きい。
「こんな豪邸に今日から住めと言われても……受け入れられないんだけど……」
「千晴が受け入れられなくとも、ご夫婦はここで暮らすことになる。君が嫌がったとしても、実家になるんだ。間取りは把握しておいても、損はないと思うが」
「……あなたはすでに、把握しているの?」
「ああ。千晴を案内してやりたかったからな」
ここで柔らかく微笑むのは、反則でしょ!?
私は真正面から彼の笑みを受け止めてしまい、顔を真っ赤にしながら両手で覆う。
何やってるの。ときめいている場合じゃないわ!
副操縦士に憧れを抱いている気持ちは、心の奥底に留めなければならないのに……!
「顔が赤くなったな」
「き、気のせいよ!」
「熟した果実のようで、食べてしまいたくなる……」
「……っ!?」
彼は赤く染まった私の顔へ誘われるように顔を近づけ――額に口づけを落とした。
きっと、頬と唇は両手で押さえつけていたからだろう。
助かったと思う反面、なんてキザな男なんだと怒りが湧いてくる。
「な、何するのよ!?」
「早く千晴のすべてを、味わいたい……」
「答えになってないけど!?」
「……無理強いはよくないからな。今日は、これで我慢しよう」
「話聞いてる!?」
駄目だ。全然会話が成立しない……!
彼は私の額に口づけを落とすことで満足したらしく、ワーキャー騒ぐこちらの声など気にした様子もなく涼しい顔で天倉の家に入ってしまった。