憧れの副操縦士は、許嫁でした~社長の隠し子CAは、パイロットにすべてを捧げられる~
「私はいつでも、準備万端だけど!?」
「そうか。なら、行こう」
航晴はエスコートするように、こちらへ手を差し出してくる。
お姫様扱いされて喜ぶような安い女に思われたくなかった私は、その手を振り払って歩き出す。
「案外、気が強いんだな」
「悪い!? これが私の本性よ! 幻滅したなら、キャプテンに許嫁解消を申し出れば!?」
「いや。むしろ、ますます好ましく感じた」
「……っ!?」
後ろから腰へ右腕を回した彼は、当然のように左側に並び立ち、私を引き寄せた。
随分変わった人だったのね。
真面目な人だから、怒り狂う姿を見れば嫌われたっておかしくないと思っていたのに――。
「三木様、お嬢様。外出ですか?」
「ああ」
「すぐにお車を……」
「いや、必要ない」
「そうでしたか。気をつけて、いってらっしゃいませ」
先ほどリビングまで案内してくれた使用人は、送迎車を手配しようかと航晴に提案していたようだ。
彼が断ったことで、私たちは晴れて自由の身となった。
「櫻坂とノースエリアを隔てる壁からこの辺りまでは、かなり距離がある。疲れたら、すぐ言うように。迎えの車を用意してもらおう」
「CAの体力を舐めないで。このくらい、楽にウォーキングできるわ」
「……そうか。では、行こうか」
準備運動を済ませると、航晴から方向の指示を受けて天倉家を出発する。
「そうか。なら、行こう」
航晴はエスコートするように、こちらへ手を差し出してくる。
お姫様扱いされて喜ぶような安い女に思われたくなかった私は、その手を振り払って歩き出す。
「案外、気が強いんだな」
「悪い!? これが私の本性よ! 幻滅したなら、キャプテンに許嫁解消を申し出れば!?」
「いや。むしろ、ますます好ましく感じた」
「……っ!?」
後ろから腰へ右腕を回した彼は、当然のように左側に並び立ち、私を引き寄せた。
随分変わった人だったのね。
真面目な人だから、怒り狂う姿を見れば嫌われたっておかしくないと思っていたのに――。
「三木様、お嬢様。外出ですか?」
「ああ」
「すぐにお車を……」
「いや、必要ない」
「そうでしたか。気をつけて、いってらっしゃいませ」
先ほどリビングまで案内してくれた使用人は、送迎車を手配しようかと航晴に提案していたようだ。
彼が断ったことで、私たちは晴れて自由の身となった。
「櫻坂とノースエリアを隔てる壁からこの辺りまでは、かなり距離がある。疲れたら、すぐ言うように。迎えの車を用意してもらおう」
「CAの体力を舐めないで。このくらい、楽にウォーキングできるわ」
「……そうか。では、行こうか」
準備運動を済ませると、航晴から方向の指示を受けて天倉家を出発する。