憧れの副操縦士は、許嫁でした~社長の隠し子CAは、パイロットにすべてを捧げられる~
機長に絡まれないように、配慮してくれたのかもしれない。
「なぁ、峯藤ちゃーん。三木って……」
「無駄口を叩かないでください」
私は慌てて頭を下げると、コックピットをあとにした。
――そういえば。
阿部機長から好きって言われても、ドキドキしなかったな……。
『俺は千晴を、愛している』
航晴の告白を思い出した私は、顔を赤く火照り始めたと感じる。
早く熱を冷まさなければと首を左右に振っていると――ある人物に耳元で囁かれた。
「みーちゃった!」
「……っ!」
ニシシと口元を抑えて笑顔を浮かべるのは、後輩CAであり天倉の使用人、倉橋だ。
彼女は頬を人差し指で突くと、嬉しそうに話しかけてくる。
「峯藤先輩、三木副操縦士とコックピットでイチャラブしてきましたね!? 幸せオーラ満載で、羨ましい限りですぅ」
「し、してない。阿部機長もいたし、そんなことできるわけがないでしょ……!」
「ええ、でもぉ……」
「すみません」
「は、はい。ただいま参ります!」
何かいいたそうにしていた倉橋のことは無視。
乗客優先だ。
今にも呼び止めるお客様に向かって舌打ちしそうな彼女を睨みつけ、私は声を上げた人の下へ向かった。
「なぁ、峯藤ちゃーん。三木って……」
「無駄口を叩かないでください」
私は慌てて頭を下げると、コックピットをあとにした。
――そういえば。
阿部機長から好きって言われても、ドキドキしなかったな……。
『俺は千晴を、愛している』
航晴の告白を思い出した私は、顔を赤く火照り始めたと感じる。
早く熱を冷まさなければと首を左右に振っていると――ある人物に耳元で囁かれた。
「みーちゃった!」
「……っ!」
ニシシと口元を抑えて笑顔を浮かべるのは、後輩CAであり天倉の使用人、倉橋だ。
彼女は頬を人差し指で突くと、嬉しそうに話しかけてくる。
「峯藤先輩、三木副操縦士とコックピットでイチャラブしてきましたね!? 幸せオーラ満載で、羨ましい限りですぅ」
「し、してない。阿部機長もいたし、そんなことできるわけがないでしょ……!」
「ええ、でもぉ……」
「すみません」
「は、はい。ただいま参ります!」
何かいいたそうにしていた倉橋のことは無視。
乗客優先だ。
今にも呼び止めるお客様に向かって舌打ちしそうな彼女を睨みつけ、私は声を上げた人の下へ向かった。