憧れの副操縦士は、許嫁でした~社長の隠し子CAは、パイロットにすべてを捧げられる~

「あなたのことが、好きだから……。触れたいと思うのは、当然のことでしょ……? でも、意識がある状態では恥ずかしくて……」
「80点だな」
「……なんの採点よ」
「俺と千晴は?」

 疑問を投げかければ、真面目な顔で質問を返された。
 無視するわけにいかない私は、渋々その答えを告げる。

「夫婦よ」
「そうだ。いい加減、あなた呼びは卒業してほしいのだが……」

 彼は申し訳無さそうに、名前か旦那呼びがいいと自己主張をしてきた。

 呼び方なんて、なんでもいいと思うのだけれど。
 航晴にとっては大事なことであるらしく、譲れないことのようだ。

「……おはよう。航晴」
「ああ。おはよう、千晴。今日は、素晴らしい朝だな。今後は毎日、添い寝を……」
「気が向いたらね」

 本来であれば、ありえないことだけれど。
 自社の従業員であることを利用して、私たちは問題が起きない限りは全く同じフライト予定を組まれている。

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