プルメリアと偽物花婿
偽物花婿から、お試し彼氏。少しランクダウンする気もするし、一歩前進する気もする。私の気持ちは確実に変わっているのだけど。
「恋人になったら何かが変わるの?」
「はい。まず連絡先交換しましょう。毎日じゃなくていいから一緒に帰って一緒にご飯食べましょう。土日も一緒にご飯食べにいきましょう」
「ご飯ばっかりだ」
「凪紗先輩それが一番喜ぶから」
「あはは、正解かも」
私が笑うと、和泉も目尻を下げた。
「お試しの恋人というか、ただ先輩と過ごしたいだけなんです」
「それだったら私もそうだよ」
「やっぱり俺のこと好きなんじゃないですか?」
和泉はじれったそうに言いながら、私の頬を少しだけくすぐる。
「好きになりたいって思うし、一緒にご飯食べたいな」
「まあ今はそれでいいですよ、もう。(仮)といいながら期待はさせてもらいますからね」
和泉はちょっといじけた口調になると、頬から手をすべらせて私の顎を軽く掴んだ。
「嫌だったら言ってくださいね」
和泉がしようとしていることがわかる。
……でもきっと、和泉にされて嫌なことなんてないと思う。もしかしてそう思うのが、恋なんだろうか。
自問自答の答えの代わりに目を閉じてみる。
遠慮気味に小さなキスが唇に落とされた。結婚式までしたのに、今がファーストキスだなんてなんだかおかしい。
目を開くと、和泉はもう困った顔をしていなかった。目を細めてもう一度私の両頬を大きな手が包む。
包んだ後にすりすりと頬をくすぐられる。その手つきが本当に優しくて、大切にされているのを感じる。
「俺ちょっと幸せすぎてよくわかってないです」
「うん」
和泉がもう一度キスをする。カクテルの甘さとビールの苦さが混じっている気がする。キスを続けるたびにその甘さと苦さがどんどん身体に降り積もって、痺れていく。
和泉の手が頬から移動して、背中に回される。背中に大きくスリットのあいたワンピース。むき出しの肌に冷たい手のひらが触れる。
「恋人になったら何かが変わるの?」
「はい。まず連絡先交換しましょう。毎日じゃなくていいから一緒に帰って一緒にご飯食べましょう。土日も一緒にご飯食べにいきましょう」
「ご飯ばっかりだ」
「凪紗先輩それが一番喜ぶから」
「あはは、正解かも」
私が笑うと、和泉も目尻を下げた。
「お試しの恋人というか、ただ先輩と過ごしたいだけなんです」
「それだったら私もそうだよ」
「やっぱり俺のこと好きなんじゃないですか?」
和泉はじれったそうに言いながら、私の頬を少しだけくすぐる。
「好きになりたいって思うし、一緒にご飯食べたいな」
「まあ今はそれでいいですよ、もう。(仮)といいながら期待はさせてもらいますからね」
和泉はちょっといじけた口調になると、頬から手をすべらせて私の顎を軽く掴んだ。
「嫌だったら言ってくださいね」
和泉がしようとしていることがわかる。
……でもきっと、和泉にされて嫌なことなんてないと思う。もしかしてそう思うのが、恋なんだろうか。
自問自答の答えの代わりに目を閉じてみる。
遠慮気味に小さなキスが唇に落とされた。結婚式までしたのに、今がファーストキスだなんてなんだかおかしい。
目を開くと、和泉はもう困った顔をしていなかった。目を細めてもう一度私の両頬を大きな手が包む。
包んだ後にすりすりと頬をくすぐられる。その手つきが本当に優しくて、大切にされているのを感じる。
「俺ちょっと幸せすぎてよくわかってないです」
「うん」
和泉がもう一度キスをする。カクテルの甘さとビールの苦さが混じっている気がする。キスを続けるたびにその甘さと苦さがどんどん身体に降り積もって、痺れていく。
和泉の手が頬から移動して、背中に回される。背中に大きくスリットのあいたワンピース。むき出しの肌に冷たい手のひらが触れる。