御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
龍之介が怖い相手ではないと思ったのか、誰だ?というように有紗を見る。
有紗は彼らをギュッと抱いて、なるべく優しく答える。
「この人はね、けいくんとこうくんのパパよ。これから一緒のお家に住むからね。……すみません。副社長。この子たち、私の父以外に大人の男性と接する機会があまりなくて、男の人だってだけで緊張しちゃうんです……副社長?」
とそこで有紗は言葉を切って首を傾げる。
彼が口もとを手で覆ったからだ。
「あの……?」
「……なんでもない。いやなんでもなくないな。そんな風に呼ばれるのははじめだから……」
いつも冷静な彼にしては珍しく、少し動揺している。
そこで有紗は彼が動揺している理由に思いあたる。
「す、すみません……! 子供たちにパパと言わせるのは……よくないですよね」
「いや、そうではない」
龍之介がやや強く有紗の言葉を否定した。
「そうではなくて、子供たちにそう呼ばせてくれることが……その、嬉しかったんだ」
そう言って彼は咳払いをした。その瞳が少し揺れている。
そのことに気がついて、有紗は驚くと同時に、あたたかい思いになる。
突然現れた自分の子供たち。
戸惑い迷惑に思われても仕方がないのに彼は精一杯責任を果たそうとしてくれている。
それだけでも十分なのにパパと呼ばれることを『嬉しい』と言ってくれるのだ。
「ふたりとも今すぐにでも抱き上げたいくらいだが、いきなりはやめておこう。嫌われたくはないからな。まずは同じ空間で過ごす時間をなるべく取りたい。今日はそのために帰ってきたんだ。君もできれば協力してほしい」
「副社長……もちろんです」
有紗は彼らをギュッと抱いて、なるべく優しく答える。
「この人はね、けいくんとこうくんのパパよ。これから一緒のお家に住むからね。……すみません。副社長。この子たち、私の父以外に大人の男性と接する機会があまりなくて、男の人だってだけで緊張しちゃうんです……副社長?」
とそこで有紗は言葉を切って首を傾げる。
彼が口もとを手で覆ったからだ。
「あの……?」
「……なんでもない。いやなんでもなくないな。そんな風に呼ばれるのははじめだから……」
いつも冷静な彼にしては珍しく、少し動揺している。
そこで有紗は彼が動揺している理由に思いあたる。
「す、すみません……! 子供たちにパパと言わせるのは……よくないですよね」
「いや、そうではない」
龍之介がやや強く有紗の言葉を否定した。
「そうではなくて、子供たちにそう呼ばせてくれることが……その、嬉しかったんだ」
そう言って彼は咳払いをした。その瞳が少し揺れている。
そのことに気がついて、有紗は驚くと同時に、あたたかい思いになる。
突然現れた自分の子供たち。
戸惑い迷惑に思われても仕方がないのに彼は精一杯責任を果たそうとしてくれている。
それだけでも十分なのにパパと呼ばれることを『嬉しい』と言ってくれるのだ。
「ふたりとも今すぐにでも抱き上げたいくらいだが、いきなりはやめておこう。嫌われたくはないからな。まずは同じ空間で過ごす時間をなるべく取りたい。今日はそのために帰ってきたんだ。君もできれば協力してほしい」
「副社長……もちろんです」