御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
蚊の鳴くような声になってしまったけれど、なんとか有紗は言い切った。
龍之介がよくできましたというかのように、柔らかく微笑んで有紗の頭をポンポンとした。
まるで恋人を見るかのようなその視線に、有紗の胸は高鳴って、同時に急速に自信をなくしていく。
こんな風に接していて彼への想いを隠し通すなんてできるだろうか。
まるっきり、以前の状況に戻ってしまった。ダメだダメだと思いながら、恋に落ちてしまったあの頃に……。
それに、この曖昧なふたりの関係が彼の立場や将来に影響を及ぼさないかが不安だった。
「どうした? ……そんなに嫌だったか?」
目を伏せた有紗の様子に気がついて彼が眉を寄せる。
有紗はためらいながら口を開いた。
「そうした方がいいのはわかりますし、嫌だとは思いません。でも……その……ここまでしていただいていることが、りゅ、龍之介さんに迷惑がかからないかと不安です」
「迷惑?」
「龍之介さんは、そ、その……。お付き合いしている方はいらっしゃらないのでしょうか? ……もしいらっしゃるなら、私と名前を呼び合っていては、相手の方が悲しみます……」
本当はこんなこと聞きたくないけれど、やっぱり確認しておいた方がいい。
彼が肩をすくめた。
「なんだそんな心配か。付き合っている相手などいないよ」
そうは言っても彼は三十三歳、元華族天瀬家の長男なのだ。いつまでも独身でいられるはずがない。
「でも、これから先、縁談の話だって……」
「期待に添えなくて申し訳ないが、その予定もまったくない。今のところ俺は一生独身を通す予定だ」
「そんな……どうしてですか?」
そんなこと、許されるずがないと有紗は思う。
龍之介がよくできましたというかのように、柔らかく微笑んで有紗の頭をポンポンとした。
まるで恋人を見るかのようなその視線に、有紗の胸は高鳴って、同時に急速に自信をなくしていく。
こんな風に接していて彼への想いを隠し通すなんてできるだろうか。
まるっきり、以前の状況に戻ってしまった。ダメだダメだと思いながら、恋に落ちてしまったあの頃に……。
それに、この曖昧なふたりの関係が彼の立場や将来に影響を及ぼさないかが不安だった。
「どうした? ……そんなに嫌だったか?」
目を伏せた有紗の様子に気がついて彼が眉を寄せる。
有紗はためらいながら口を開いた。
「そうした方がいいのはわかりますし、嫌だとは思いません。でも……その……ここまでしていただいていることが、りゅ、龍之介さんに迷惑がかからないかと不安です」
「迷惑?」
「龍之介さんは、そ、その……。お付き合いしている方はいらっしゃらないのでしょうか? ……もしいらっしゃるなら、私と名前を呼び合っていては、相手の方が悲しみます……」
本当はこんなこと聞きたくないけれど、やっぱり確認しておいた方がいい。
彼が肩をすくめた。
「なんだそんな心配か。付き合っている相手などいないよ」
そうは言っても彼は三十三歳、元華族天瀬家の長男なのだ。いつまでも独身でいられるはずがない。
「でも、これから先、縁談の話だって……」
「期待に添えなくて申し訳ないが、その予定もまったくない。今のところ俺は一生独身を通す予定だ」
「そんな……どうしてですか?」
そんなこと、許されるずがないと有紗は思う。