御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
「い……忙しい人なので、半分というわけにはいかなくて、でもできるだけのことはやってくれます。すごく助かっています」

「そうだよねー、きっちり半分ってわけにいかないよね。ちなみになにをしてくれるの?」

「……朝ごはんを作ってくれます。彼の方が朝早く出勤するんですが、私と子供たちの分を必ず。それから余裕があれば夜ごはんも」
 
相手が誰かを言うわけにはいかないけれど、とりあえず本当のことを言う。

朝早く出勤する彼は毎日有紗と子供たちのために朝ごはんを作ってくれる。そしてついでに夜の分も。

「えー! 料理が上手な方なんだ。それってすごく助かるね。他の家事は手を抜けても子供がいると食べるものって大事だもんね」

「はい。すごく助かります」
 
本当にすごく助かっている。
 
仕事が終わり子供たちを保育園へ迎えに行って家に着いたら、子供たちはお腹ぺこぺこだ。

温めるだけで食べられるものが冷蔵庫にあるだけで気持ちにゆとりができる。
 
はじめてうどんを作ってくれたあの日、たいしたものはできないと言っていた彼だけれど、どんどん腕をあげているような気がする。
 
しかも休日は、いつもよりたくさん家事育児をやりたがった。

庭で双子とめいいっぱい遊んだり、平日の作り置きをしたりと少しも休んでいる様子がない。

「料理上手な旦那さんって、いいなぁ」
 
同僚の言葉に、有紗は少し浮かない気持ちで頷いた。

「はい。でも彼はすごく忙しい人なのに少し心配です」

「優しいなぁ、真山さんは」
 
その時。
 
——バンッ。
 
< 129 / 178 >

この作品をシェア

pagetop