御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
カッコよくて明るくて誰に対しても分け隔てなく優しくてリーダーシップのある彼は、全校の人気者。
真面目で地味な有紗にも気軽に声をかけてくれて、あっという間に好きになってしまったのだ。
もちろん自分が彼と付き合えるなんて思っていたわけではない。
生徒会のメンバーだからこそ話ができるだけで、そうでなかったら普段の学校生活では口をきくこともない相手だ。告白をするつもりもなかった。
ただ思っているだけで幸せだった、淡い初恋。
それが苦い思い出に変わったのは、彼への恋心に気がついて半年が経った、ある夏の日だった。
放課後、生徒会室に忘れ物を取りに行った有紗は、部屋の前の廊下で、稲葉と彼の友人の話し声を耳にして、そっと足を止めた。
『真山さんって絶対お前のこと好きだって。会議の時ずーっとお前のこと見てるじゃん』
友人の指摘に、有紗は心臓が飛び出そうな心地がした。
頬がカァッと熱くなる。隠していたつもりなのに、気づかれていたなんて。恥ずかしくて、ドキンドキンと鼓動が大きな音を立てる。
盗み聞きなんてよくないと思いつつ、息を呑んで、大好きな彼の返答に耳を澄ませる。
はたしてそれは、想像以上にひどいものだった。
『マジで? それはちょっとキツいわ』
うんざりとしたその声は、普段の彼から想像つかないくらい冷たい。
『なんでだよ。真山さん、地味グループで真面目すぎるけど、よく見たら可愛くない? サッカー部の友達が好きだって言ってたぜ』
『知らね。地味だってだけで眼中にない。俺、真面目な女嫌い。マジ興味ない女は、見てるフリして見ないようにしてるもん。で、話が終わったらすぐに記憶から抹消する』
『マジで? ひでぇ!』
ひどい会話の内容が有紗の胸をグサグサと刺す。もうこれ以上聞きたくない、耳を塞ぎたいと思っても、あまりの衝撃に身体が動かなかった。
真面目で地味な有紗にも気軽に声をかけてくれて、あっという間に好きになってしまったのだ。
もちろん自分が彼と付き合えるなんて思っていたわけではない。
生徒会のメンバーだからこそ話ができるだけで、そうでなかったら普段の学校生活では口をきくこともない相手だ。告白をするつもりもなかった。
ただ思っているだけで幸せだった、淡い初恋。
それが苦い思い出に変わったのは、彼への恋心に気がついて半年が経った、ある夏の日だった。
放課後、生徒会室に忘れ物を取りに行った有紗は、部屋の前の廊下で、稲葉と彼の友人の話し声を耳にして、そっと足を止めた。
『真山さんって絶対お前のこと好きだって。会議の時ずーっとお前のこと見てるじゃん』
友人の指摘に、有紗は心臓が飛び出そうな心地がした。
頬がカァッと熱くなる。隠していたつもりなのに、気づかれていたなんて。恥ずかしくて、ドキンドキンと鼓動が大きな音を立てる。
盗み聞きなんてよくないと思いつつ、息を呑んで、大好きな彼の返答に耳を澄ませる。
はたしてそれは、想像以上にひどいものだった。
『マジで? それはちょっとキツいわ』
うんざりとしたその声は、普段の彼から想像つかないくらい冷たい。
『なんでだよ。真山さん、地味グループで真面目すぎるけど、よく見たら可愛くない? サッカー部の友達が好きだって言ってたぜ』
『知らね。地味だってだけで眼中にない。俺、真面目な女嫌い。マジ興味ない女は、見てるフリして見ないようにしてるもん。で、話が終わったらすぐに記憶から抹消する』
『マジで? ひでぇ!』
ひどい会話の内容が有紗の胸をグサグサと刺す。もうこれ以上聞きたくない、耳を塞ぎたいと思っても、あまりの衝撃に身体が動かなかった。