御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
「でも、なにかあったらどうするんですか?」
「大丈夫だ。現に今まではなにもなかったじゃないか」
少し乱暴な言い合いになる。上司に向かって、よくないことと思いつつ口は止まらなかった。
有紗のことは気遣うのに、自分のことには無頓着すぎる龍之介が心配でたまらない。
「なにかあってからじゃ遅いから言ってるんです!」
思わず声を荒げると、龍之介が切れ長の目を見開いた。
「あ……」
さすがに言いすぎたと気がついて口を閉じる。
気まずい思いでうつむくと、腕を優しく掴まれ引き寄せられる。気がついた時は彼の腕の中だった。
鼓動がドクンと大きな音を立てた。
龍之介が有紗の顎に手を添えて、切れ長の目で有紗をジッと見つめた。
「なぜ君はそこまで俺を心配する? ただの上司として? 子供たちの父親として? それとも、ほかになにかあるのか?」
低い声での問いかけに有紗は答えられなかった。
有紗が彼をこれほどまでに心配するのは、彼を愛しているからだ。でもそれを告げるわけにはいかなかった。
至近距離からの射抜くような彼の視線、全身を包む甘いムスクの香りに、体温が一気に上昇する。
"上司としてのあなたを心配しています"
そう言わなくてはいけないのに、言葉が出てこなかった。
「私、私は……」
頭とは裏腹に身体が反応するのを止められない。
彼に触れられている顎も頬も、なにもかも熱かった。
龍之介がなにかを堪えるような表情になる。目の前にある男性的な喉元が、ごくりと動く。
「こうしてると、あの夜のことがチラつくな。……有紗はもう忘れた?」
「大丈夫だ。現に今まではなにもなかったじゃないか」
少し乱暴な言い合いになる。上司に向かって、よくないことと思いつつ口は止まらなかった。
有紗のことは気遣うのに、自分のことには無頓着すぎる龍之介が心配でたまらない。
「なにかあってからじゃ遅いから言ってるんです!」
思わず声を荒げると、龍之介が切れ長の目を見開いた。
「あ……」
さすがに言いすぎたと気がついて口を閉じる。
気まずい思いでうつむくと、腕を優しく掴まれ引き寄せられる。気がついた時は彼の腕の中だった。
鼓動がドクンと大きな音を立てた。
龍之介が有紗の顎に手を添えて、切れ長の目で有紗をジッと見つめた。
「なぜ君はそこまで俺を心配する? ただの上司として? 子供たちの父親として? それとも、ほかになにかあるのか?」
低い声での問いかけに有紗は答えられなかった。
有紗が彼をこれほどまでに心配するのは、彼を愛しているからだ。でもそれを告げるわけにはいかなかった。
至近距離からの射抜くような彼の視線、全身を包む甘いムスクの香りに、体温が一気に上昇する。
"上司としてのあなたを心配しています"
そう言わなくてはいけないのに、言葉が出てこなかった。
「私、私は……」
頭とは裏腹に身体が反応するのを止められない。
彼に触れられている顎も頬も、なにもかも熱かった。
龍之介がなにかを堪えるような表情になる。目の前にある男性的な喉元が、ごくりと動く。
「こうしてると、あの夜のことがチラつくな。……有紗はもう忘れた?」