御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
真面目なだけが取り柄の自分。
なにも持たないただの自分。
たった一度の失恋で、深く傷つき恋も結婚もしないと決めていた弱い自分。
その自分が彼の隣に立つことに、自信が持てないだけなのかもしれない。
立場が違うと言い訳をして、逃げているだけで……。
「有紗……」
わずかに離れた彼の唇に名を呼ばれて、有紗はゆっくりと目を開く。
大好きな目が、愛おしげに自分を映していた。
彼の愛を信じられないわけではない。
ただ……。
「有紗、愛してるよ」
愛の言葉を口にする彼の唇が、またゆっくりと近づいて……。
——ピリリリリ。
鳴り響いた携帯の音に、ぴたりと止まった。
そのままふたり見つめ合う。
部屋に鳴り響く電子音に、有紗の頭が少し冷えた。
「お仕事の電話かも……」
龍之介の胸をそっと押す。
彼は小さく息を吐いて、有紗を包む腕を緩めた。そして大きな手で、有紗の頭をポンポンと優しく叩く。
「……おやすみ」
微笑んで、彼はリビングを出ていった。
静かに閉まるドアを見つめて有紗は甘い息を吐く。
身体の火照りはいつまでも収まりそうになかった。
——彼は住む世界が違う人。私とは生まれも立場も釣り合わない。
そう自分に言い聞かせるけれど、どこか虚しく心に響いた。
それが正解だと思っていたけれど……。
二年ぶりの彼とのキスが、有紗の中のなにかを変えようとしていた。
なにも持たないただの自分。
たった一度の失恋で、深く傷つき恋も結婚もしないと決めていた弱い自分。
その自分が彼の隣に立つことに、自信が持てないだけなのかもしれない。
立場が違うと言い訳をして、逃げているだけで……。
「有紗……」
わずかに離れた彼の唇に名を呼ばれて、有紗はゆっくりと目を開く。
大好きな目が、愛おしげに自分を映していた。
彼の愛を信じられないわけではない。
ただ……。
「有紗、愛してるよ」
愛の言葉を口にする彼の唇が、またゆっくりと近づいて……。
——ピリリリリ。
鳴り響いた携帯の音に、ぴたりと止まった。
そのままふたり見つめ合う。
部屋に鳴り響く電子音に、有紗の頭が少し冷えた。
「お仕事の電話かも……」
龍之介の胸をそっと押す。
彼は小さく息を吐いて、有紗を包む腕を緩めた。そして大きな手で、有紗の頭をポンポンと優しく叩く。
「……おやすみ」
微笑んで、彼はリビングを出ていった。
静かに閉まるドアを見つめて有紗は甘い息を吐く。
身体の火照りはいつまでも収まりそうになかった。
——彼は住む世界が違う人。私とは生まれも立場も釣り合わない。
そう自分に言い聞かせるけれど、どこか虚しく心に響いた。
それが正解だと思っていたけれど……。
二年ぶりの彼とのキスが、有紗の中のなにかを変えようとしていた。