御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
唐突に与えられた甘いキスに、差し出されたチョコレートを有紗はぼんやりと見つめる。
「ほら、あーん」
言われるままに口を開けると、チョコレートが入ってくる。
そしてまた深いキス。
脳がとろけてしまいそうだった。
チョコレートが甘いのか、彼とのキスが甘いのか、それすらもわからない。
最後のひとつと気が遠くなるほどのキスのあと、ぼんやりとする視線の先で唇を舐めて龍之介が微笑んだ。
「これで俺は充電完了」
その言葉に有紗はハッとする。今が勤務中だということを思い出した。
「ふ、副社長、こんなこと……困ります……」
そう抗議するが、キスの余韻が抜けきれずあまり言葉に力が入らなかった。
「公私の別はつけてるよ、今は休憩時間だ。君がさっき言ったんじゃないか」
「でも……」
有紗が頬を膨らませると、龍之介が心底嬉しそうに笑った。
「あの頃の願望が叶ったよ」
「あの頃の願望……?」
「ああ、本当はこうして俺が直接食べさせたかったんだ。幸せそうチョコレートを食べる君を一番近くで見たかった」
そう言う彼に有紗は目を見開いた。
あの頃とは二年前のことだろうか。少し親しげではあったものの完璧な上司としての顔だった彼がそんなことを考えていたなんて。
「あの時、そんなことを考えていたんですか?」
「そうだ。あの時すでに俺は君に恋をしていたならな。あわよくば甘い香りがする君を食べたいと思っていた」
驚く有紗をよそに、彼はくっくと肩を揺らして笑っている。
「君が秘書になってすぐに好きになったんだ。はじめは真面目で信用できるいい秘書だと思っていたけど、すぐにもっと笑ってほしいと思うようになった。自分でもこんな感情になるなんて驚きだったよ。だけど誰かを好きになるのに、理由なんてないのかもしれないな」
自分の気持ちを率直に語る龍之介に、有紗は不思議な気持ちになる。
雲の上の人。
世界を股にかける東洋の黒騎士。
そう言われている彼にしてはあまりにもシンプルな愛のはじまりだ。
「ほら、あーん」
言われるままに口を開けると、チョコレートが入ってくる。
そしてまた深いキス。
脳がとろけてしまいそうだった。
チョコレートが甘いのか、彼とのキスが甘いのか、それすらもわからない。
最後のひとつと気が遠くなるほどのキスのあと、ぼんやりとする視線の先で唇を舐めて龍之介が微笑んだ。
「これで俺は充電完了」
その言葉に有紗はハッとする。今が勤務中だということを思い出した。
「ふ、副社長、こんなこと……困ります……」
そう抗議するが、キスの余韻が抜けきれずあまり言葉に力が入らなかった。
「公私の別はつけてるよ、今は休憩時間だ。君がさっき言ったんじゃないか」
「でも……」
有紗が頬を膨らませると、龍之介が心底嬉しそうに笑った。
「あの頃の願望が叶ったよ」
「あの頃の願望……?」
「ああ、本当はこうして俺が直接食べさせたかったんだ。幸せそうチョコレートを食べる君を一番近くで見たかった」
そう言う彼に有紗は目を見開いた。
あの頃とは二年前のことだろうか。少し親しげではあったものの完璧な上司としての顔だった彼がそんなことを考えていたなんて。
「あの時、そんなことを考えていたんですか?」
「そうだ。あの時すでに俺は君に恋をしていたならな。あわよくば甘い香りがする君を食べたいと思っていた」
驚く有紗をよそに、彼はくっくと肩を揺らして笑っている。
「君が秘書になってすぐに好きになったんだ。はじめは真面目で信用できるいい秘書だと思っていたけど、すぐにもっと笑ってほしいと思うようになった。自分でもこんな感情になるなんて驚きだったよ。だけど誰かを好きになるのに、理由なんてないのかもしれないな」
自分の気持ちを率直に語る龍之介に、有紗は不思議な気持ちになる。
雲の上の人。
世界を股にかける東洋の黒騎士。
そう言われている彼にしてはあまりにもシンプルな愛のはじまりだ。