御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
「あいにくだが、ここのところ予定が立て込んでいる。またの機会にするよ」
「……そうですか」
詩織が不満そうにした。
「ところで、いい機会だからこちらからも聞きたいことがある。君のこの先のことについてだ」
「先のこと、ですか?」
「ああ、私は君のお父さんから社会勉強をさせたいと言われて秘書課に君を迎えたわけだが、あれから三年経つからね」
暗に、いつまでいるのだ?と尋ねると、彼女は不満そうに口を開いた。
「……お父さまからは、結婚が決まったら退職しなさいと言われております」
「そう……なにかいい話はあるの? 君なら縁談は降るようにあるだろうが」
本来ならこんなことを部下である彼女に聞くのはタブー。だが、そもそも彼女の採用自体がイレギュラーな措置だ。
龍之介からの問いかけに詩織は驚いたように目を見開いて、悔しそうに唇を噛んだ。わかってはいたが彼女は自分との縁談を諦めていないのだ。
この二年間、有紗を失った虚しさから放置していたことが悔やまれる。
「……お父さまは、龍之介さんは私との縁談は断れないって言ったのに」
悔しそうに言って、彼女は龍之介を睨んだ。
「お爺さまは、龍之介さんの恩人なんでしょう? それなのに、こんなことしていいんですか? お爺さまは、私にとびきりの旦那さまを探してくれるって仰ってた。龍之介さんとお知り合いになった時、彼に決めたって仰ったわ。パーティでご挨拶してから私もずっと憧れていたのに……」
「……そうですか」
詩織が不満そうにした。
「ところで、いい機会だからこちらからも聞きたいことがある。君のこの先のことについてだ」
「先のこと、ですか?」
「ああ、私は君のお父さんから社会勉強をさせたいと言われて秘書課に君を迎えたわけだが、あれから三年経つからね」
暗に、いつまでいるのだ?と尋ねると、彼女は不満そうに口を開いた。
「……お父さまからは、結婚が決まったら退職しなさいと言われております」
「そう……なにかいい話はあるの? 君なら縁談は降るようにあるだろうが」
本来ならこんなことを部下である彼女に聞くのはタブー。だが、そもそも彼女の採用自体がイレギュラーな措置だ。
龍之介からの問いかけに詩織は驚いたように目を見開いて、悔しそうに唇を噛んだ。わかってはいたが彼女は自分との縁談を諦めていないのだ。
この二年間、有紗を失った虚しさから放置していたことが悔やまれる。
「……お父さまは、龍之介さんは私との縁談は断れないって言ったのに」
悔しそうに言って、彼女は龍之介を睨んだ。
「お爺さまは、龍之介さんの恩人なんでしょう? それなのに、こんなことしていいんですか? お爺さまは、私にとびきりの旦那さまを探してくれるって仰ってた。龍之介さんとお知り合いになった時、彼に決めたって仰ったわ。パーティでご挨拶してから私もずっと憧れていたのに……」