御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
有紗の告白
詩織と入れ違いに秘書課へ戻った有紗に、千賀から声がかかる。
「真山さん、ちょっといいかな」
「……はい」
答えると彼はわざわざミーティングルームへ移動する。有紗は少し緊張した。
秘書課で話せないということはよほど込み入った話なのだろうか。
「この話は内密にお願いしたいのですが、副社長にまた記者が張り付いています。社長からの話ですから、確かな情報です。真山さんの耳に入れておく必要があると思いまして」
いつになく深刻な表情で彼は言った。
「週刊誌……ですか?」
龍之介がときどき週刊誌に狙われているというのは今に始まったことではない。
それをわざわざ重ねて言うことに違和感を覚えた。
その有紗の疑問に、千賀が答える。
「今回はただのゴシップ狙いではなく、副社長の社会的地位の失脚を狙ったもののようです」
不穏な言葉に有紗は眉を寄せた。
「この世界はまっとうにやっていても敵はいくらでもできますから。どうやら向こうは社員にも接触を試みているようです。秘書課の中に情報を漏らすものはいないと信じたいですが。取り急ぎあなたには伝えておいた方がいいと思いまして」
千賀の言葉に、有紗の背中に緊張が走る。心臓が嫌なリズムを刻みはじめる。
龍之介に探られて痛いことなどないだろうが、婚外子の存在は微妙なところだ。
「……室長、私たちのことが知られたらまずいですよね。どうしよう……」
動揺を感じながら有紗が言うと、彼は有紗を安心させるように笑った。
「副社長もあなたも細心の注意を払っておられますから大丈夫です。念のためと思いお伝えしたまでです」
通勤や保育園への送り迎えは、龍之介が手配した専用車を使っている。
「真山さん、ちょっといいかな」
「……はい」
答えると彼はわざわざミーティングルームへ移動する。有紗は少し緊張した。
秘書課で話せないということはよほど込み入った話なのだろうか。
「この話は内密にお願いしたいのですが、副社長にまた記者が張り付いています。社長からの話ですから、確かな情報です。真山さんの耳に入れておく必要があると思いまして」
いつになく深刻な表情で彼は言った。
「週刊誌……ですか?」
龍之介がときどき週刊誌に狙われているというのは今に始まったことではない。
それをわざわざ重ねて言うことに違和感を覚えた。
その有紗の疑問に、千賀が答える。
「今回はただのゴシップ狙いではなく、副社長の社会的地位の失脚を狙ったもののようです」
不穏な言葉に有紗は眉を寄せた。
「この世界はまっとうにやっていても敵はいくらでもできますから。どうやら向こうは社員にも接触を試みているようです。秘書課の中に情報を漏らすものはいないと信じたいですが。取り急ぎあなたには伝えておいた方がいいと思いまして」
千賀の言葉に、有紗の背中に緊張が走る。心臓が嫌なリズムを刻みはじめる。
龍之介に探られて痛いことなどないだろうが、婚外子の存在は微妙なところだ。
「……室長、私たちのことが知られたらまずいですよね。どうしよう……」
動揺を感じながら有紗が言うと、彼は有紗を安心させるように笑った。
「副社長もあなたも細心の注意を払っておられますから大丈夫です。念のためと思いお伝えしたまでです」
通勤や保育園への送り迎えは、龍之介が手配した専用車を使っている。