御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
会社での車の乗り降りは、副社長である彼だけが入れる地下駐車場、他の社員には見られようがない。
「だけど……」
「そもそもあなたと副社長の間になにかあると気がついている人物はいませんから」
その言葉に有紗は気持ちを引き締める。
もちろん、信頼している同僚たちにも彼とのことを言うつもりはない。
それでもどこから話が漏れるかわからない。
「本来なら副社長は独身ですし芸能人でもないんですから、あなた方のことはスキャンダルでもなんでもない。ただ万が一にでも記事になったら好奇の目に晒されるのは確かです。副社長もそこを心配されているのでしょう」
「でもすでに子供までいるのは……。それに相手が私だというのは都合が悪いんじゃないでしょうか。どう考えても釣り合いが取れていないですし」
相手は令嬢でもない一般人の秘書。
むしろその辺りが、クローズアップされるのではないだろうか。
千賀は眉を上げた。
「世間的にはそうかもしれません。ですが私からしてみれば副社長のお相手があなただというのは納得です」
「え……? 納得……?」
意外すぎる言葉に、有紗は首を傾げた。
「ええ、副社長はあなたも知っての通り、仕事にストイックな方です。天瀬家の長男として巨大企業を背負って立つと生まれながらにして決められていたのですから。常に注目されて結果を期待されている。それでいて敵を作りやすい立場にいる。真山さん、あなたのような信頼できる女性を好きになられたのは当然です。やっと安らげる場所を見つけられたということでしょう」
その彼の、人物像には有紗も完全に同意だ。でも……。
「安らげる……海外時代の華やかなお相手から考えるとそうかもしれませんが」
呟くと、彼は意外そうな表情になった。
「海外時代の? ……副社長はあなたに伝えていないのですか?」
「……え?」
「あれはすべて事実無根ですよ。海外駐在時代はそれこそ寝る間を惜しんで会社の業績回復のために奔走されていました。人脈を作る過程であのような記事が出ましたが、本当の話はひとつもありません。相手の父親たちの関係から強く否定できなかっただけです」
「そう……なんですか……」
唖然とする有紗に、千賀がふっと笑った。
「週刊誌にあることないこと書き立てられた、それ自体も自分の責任だと言い訳しないのは結構ですが、女性の気持ちをわかっていなさすぎですね」
そう言って彼は、ミーティングルームを出ていった。
「だけど……」
「そもそもあなたと副社長の間になにかあると気がついている人物はいませんから」
その言葉に有紗は気持ちを引き締める。
もちろん、信頼している同僚たちにも彼とのことを言うつもりはない。
それでもどこから話が漏れるかわからない。
「本来なら副社長は独身ですし芸能人でもないんですから、あなた方のことはスキャンダルでもなんでもない。ただ万が一にでも記事になったら好奇の目に晒されるのは確かです。副社長もそこを心配されているのでしょう」
「でもすでに子供までいるのは……。それに相手が私だというのは都合が悪いんじゃないでしょうか。どう考えても釣り合いが取れていないですし」
相手は令嬢でもない一般人の秘書。
むしろその辺りが、クローズアップされるのではないだろうか。
千賀は眉を上げた。
「世間的にはそうかもしれません。ですが私からしてみれば副社長のお相手があなただというのは納得です」
「え……? 納得……?」
意外すぎる言葉に、有紗は首を傾げた。
「ええ、副社長はあなたも知っての通り、仕事にストイックな方です。天瀬家の長男として巨大企業を背負って立つと生まれながらにして決められていたのですから。常に注目されて結果を期待されている。それでいて敵を作りやすい立場にいる。真山さん、あなたのような信頼できる女性を好きになられたのは当然です。やっと安らげる場所を見つけられたということでしょう」
その彼の、人物像には有紗も完全に同意だ。でも……。
「安らげる……海外時代の華やかなお相手から考えるとそうかもしれませんが」
呟くと、彼は意外そうな表情になった。
「海外時代の? ……副社長はあなたに伝えていないのですか?」
「……え?」
「あれはすべて事実無根ですよ。海外駐在時代はそれこそ寝る間を惜しんで会社の業績回復のために奔走されていました。人脈を作る過程であのような記事が出ましたが、本当の話はひとつもありません。相手の父親たちの関係から強く否定できなかっただけです」
「そう……なんですか……」
唖然とする有紗に、千賀がふっと笑った。
「週刊誌にあることないこと書き立てられた、それ自体も自分の責任だと言い訳しないのは結構ですが、女性の気持ちをわかっていなさすぎですね」
そう言って彼は、ミーティングルームを出ていった。