御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
彼の言葉が身体の隅々まで染み渡り、胸の中のつらい記憶を追い出していくようだった。
 
彼が有紗の名前を呼ぶたびに、口づけるたびに、強くなっていく。

「有紗、君がほしい。愛させてくれ。このまま君を抱いていいか?」
 
荒い吐息の問いかけに、答えたいと思っても彼の唇に翻弄されてまともに言葉を紡げない。
 
広い背中に腕を回すと、有紗の答えはそれで伝わる。そのままゆっくりと寝かされた。
 
そのまま深く口づけられる。
 
深くて熱くて激しいキスに、有紗の胸は痛いくらいに高鳴った。
 
彼の言葉が。
 
彼の吐息が。
 
自分に触れる大きな手が。
 
有紗を特別なものにする。
 
なにもないと卑下していた気持ちが少しずつ塗り替えられていく。

「なにもないなんて、二度と口にできないようにしてやるよ」

「あ、待ってりゅ……のすけさ……!」
 
甘すぎる彼の愛撫に、有紗が音をあげても、彼は一切手を緩めなかった。
 
有紗の身体の隅々まで口づけて、言葉と唇と手で有紗を特別なものだと有紗の身体に刻み込んでゆく。

「君になにもないなら、どうして俺はこんなに君に狂うんだ? 俺をここまで狂わせるのは後にも先にも君だけだ。有紗、愛してるよ」
 
気が遠くなるほどの時間が過ぎたあと、一糸まとわぬ姿でベッドに身体を投げ出す有紗を膝立ちになった龍之介が見下ろしながら、自らの衣服を脱ぎ捨てていく。
 
荒い吐息と苦し気に寄った眉、熱い視線に有紗の胸は焼けるように熱くなる。
 
両脇に手をついて、彼は有紗を腕の檻に閉じ込める。
 
ここは有紗だけの幸せな場所。

ここにいられるのは自分だけ。

ただそれだけで、自分は特別な存在なのだ。

そんな確信を胸に、有紗は彼の腕に身を任せた。
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