御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして～身を引いたのに一途に迫られています～【極甘婚シリーズ】

カーテンから差し込む明るい光を感じて有紗はゆっくりと目を開く。

目に飛び込んできた見慣れない天井に、不思議に思い身体を起こす。

部屋の中を見回してここがゲストルームだということに思いあたる。
　
昨夜の出来事が頭に蘇る。
　
眠りに落ちる時、そばにいたはずの龍之介はいなかった。

ベッドを出て差し込む朝日に誘われるようにカーテンを開ける。

明るい光に包まれると、まるで生まれが変わったような心地がした。
　
昨夜龍之介は、ベッドの上でこれ以上ないくらいに有紗を愛した。

唇、頬、指の一本一本にまで余すことなく口づけて、有紗がどれだけ自分にとって特別かということを身体と心に刻み込んだのだ。
　
目を閉じて、有紗は自分の心を探る。
　
弱い自分は、もうどこにもいなかった。
　
——彼に愛されている。
　
それだけで特別なのだという自信が、身体の隅々まで染み渡っている。
　
もう大丈夫。なにがあっても迷わない。
　
そこで、ドアの向こうが騒がしいような気がして振り返る。

「まんまぁ」

「ここにいるよ。だけどまだ寝てたら、そっとしてあげような」

「あぶー」
　
龍之介と息子たちの話し声だ。
　
ドアが開いて、三人が入ってきた。
　
龍之介が康太を抱いて、圭太が有紗に向かっては走ってくる。ベッドによじ登り、有紗の腕に飛び込んだ。

「まんま！」

「おはよう、けいくん」
　
勢いに押されながら、有紗は彼を受け止める。

頬と頬をくっつけると幸せな思いに満たされる。
　
龍之介が微笑んだ。