御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
「起きたんだな、身体つらくないか? まだしんどいならもう少し寝てていいよ」

「もう、大丈夫です。寝坊してすみませんでした」

「気にするな。朝ごはんできてるよ。ふたりはもう先に食べた」
 
龍之介はそう言って康太を見てにっこりと笑う。

「パン! パン!」
 
康太が龍之介の腕の中で嬉しそうに声をあげた。
 
そう言われてみれば、なんだか圭太から甘い香りがする。

「美味しそうな香り。なに食べたの?」
 
圭太に向かって問いかけると、龍之介が答えた。

「ホットケーキだよ。ふたりともすごい勢いで食べた。おかわりいっぱいしたもんな。起きられそうなら、有紗の分も焼くよ。トーストとどっちがいい?」
 
柔らかく微笑みこちらを見る龍之介と、よほどホットケーキが美味しかったのか、ご機嫌のふたりに、有紗の胸がいっぱいになった。
 
この場所に、自分はいるべきだと強く思う。彼らには自分が必要で、自分もまた彼らを必要としているのだ。
 
——四人は一緒にいるべきだ。
 
この先も、ずっと。

「龍之介さん」

「ん?」

「私、龍之介さんと家族になりたいです」
 
今胸を満たしている素直な思いを口にすると、龍之介が目を見開いた。

「龍之介さん、私と結婚してください。私、龍之介さんと生きていきたい。子供たちと四人で幸せになりたいです」
 
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