御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
取締役会
「渡辺さんは、叔父を味方につけている可能性がある」
大会議へ向かうエレベーターに乗り込む龍之介が有紗に説明する。
彼が叔父と呼ぶのは、常務取締役のことだ。
「常務を味方に?」
「そうだ。叔父は悪い人ではないが、保守的な考えの持ち主なんだ。天瀬家が元華族だということを誇りに思っている。縁談が持ち込まれた時、渡辺家の娘ならば家の嫁にぴったりだと一番喜んでいたのは彼だった」
なるほど、それならば詩織の肩を持ってもおかしくはない。さらに言うと、有紗が相手では納得しないだろう。
「だが誰がなんと言おうと俺の妻は有紗だ」
龍之介が言い切った時、エレベーターが停止した。
扉が開いた先にあるのは、重厚な天然木の扉。天瀬商事の取締役がそろう大会議室だ。
先を行く龍之介が振り返る。
そして有紗を見て笑った。
「行こう」
大会議には、八名の取締役が四角く並べられた机に、ずらりと並んで龍之介と有紗を待っていた。
龍之介の予想どおり、詩織は常務の隣に座っている。
「お待たせして申し訳ありません」
龍之介が言い、自分のために用意された席に座る。有紗も隣に着席した。
「では、はじめよう」
龍之介の父、天瀬一郎が開会を宣言すると、常務が手を上げて口を開いた。
「龍之介、どういうことか説明しろ」
議題が、縁談や愛人といったプライベートの色が強い事柄だからだろう。すでに、呼び方が甥に対するそれになっている。
大会議へ向かうエレベーターに乗り込む龍之介が有紗に説明する。
彼が叔父と呼ぶのは、常務取締役のことだ。
「常務を味方に?」
「そうだ。叔父は悪い人ではないが、保守的な考えの持ち主なんだ。天瀬家が元華族だということを誇りに思っている。縁談が持ち込まれた時、渡辺家の娘ならば家の嫁にぴったりだと一番喜んでいたのは彼だった」
なるほど、それならば詩織の肩を持ってもおかしくはない。さらに言うと、有紗が相手では納得しないだろう。
「だが誰がなんと言おうと俺の妻は有紗だ」
龍之介が言い切った時、エレベーターが停止した。
扉が開いた先にあるのは、重厚な天然木の扉。天瀬商事の取締役がそろう大会議室だ。
先を行く龍之介が振り返る。
そして有紗を見て笑った。
「行こう」
大会議には、八名の取締役が四角く並べられた机に、ずらりと並んで龍之介と有紗を待っていた。
龍之介の予想どおり、詩織は常務の隣に座っている。
「お待たせして申し訳ありません」
龍之介が言い、自分のために用意された席に座る。有紗も隣に着席した。
「では、はじめよう」
龍之介の父、天瀬一郎が開会を宣言すると、常務が手を上げて口を開いた。
「龍之介、どういうことか説明しろ」
議題が、縁談や愛人といったプライベートの色が強い事柄だからだろう。すでに、呼び方が甥に対するそれになっている。