御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
しおらしいことを言って肩を振るわせる詩織に、同情の目が向けられる。
龍之介だけは彼女に冷たい視線を送り口を開いた。
「次に、真山さんとの件ですが。彼女との間に子供がいるというのは事実です。ただ記事にあるような愛人などというものではなく真剣な関係です。順序が逆になってしまっておりますが、近々結婚します。すでに彼女のお父さまにもご了承いただいている。本来なら本日社長への報告を済ませて入籍する予定でした」
龍之介の言葉に反応したのは、一郎だった。
「結婚するのか? お前が? ……ほう」
身を乗り出して有紗と龍之介を見比べた。
一方で常務は厳しい表情になる。
「龍之介。結婚などと……本気か?」
まるで愛人の方がよかったというような口ぶりだ。
「もちろんです。念のため言添えますが、これは報告です。お伺いをたてているわけではありません。誰になんと言われようとも結論は変わりません」
「し、しかし……」
「もういいんです……」
詩織が彼を止めた。涙を流して首を振る。
「私が、いたらなかっただけですから……龍之介さんは好きな方と一緒になられること心よりお祝い申し上げます」
しおらしく言って立ち上がる。
「お父さまにはご納得たいただけるよう私からよくご説明しておきますから」
その言葉に、取締役たちが苦い表情になった。
お父さまとはすなわち、JEDグループの代表取締役社長だ。
取引に影響はないか、心配しているのだろう。
龍之介だけは、平然としている。
「りゅ、龍之介! お前、冷静になって考えろ。結婚はお前だけの問題ではない! 今からでも詩織さんに詫びるんだ」
常務がやや青ざめて龍之介を叱責した。
「一時の感情で会社を危機に晒す気か? 詩織さんのなにが不満なんだ? どう考えても詩織さんは天瀬家の嫁に相応しいだろう!」
龍之介だけは彼女に冷たい視線を送り口を開いた。
「次に、真山さんとの件ですが。彼女との間に子供がいるというのは事実です。ただ記事にあるような愛人などというものではなく真剣な関係です。順序が逆になってしまっておりますが、近々結婚します。すでに彼女のお父さまにもご了承いただいている。本来なら本日社長への報告を済ませて入籍する予定でした」
龍之介の言葉に反応したのは、一郎だった。
「結婚するのか? お前が? ……ほう」
身を乗り出して有紗と龍之介を見比べた。
一方で常務は厳しい表情になる。
「龍之介。結婚などと……本気か?」
まるで愛人の方がよかったというような口ぶりだ。
「もちろんです。念のため言添えますが、これは報告です。お伺いをたてているわけではありません。誰になんと言われようとも結論は変わりません」
「し、しかし……」
「もういいんです……」
詩織が彼を止めた。涙を流して首を振る。
「私が、いたらなかっただけですから……龍之介さんは好きな方と一緒になられること心よりお祝い申し上げます」
しおらしく言って立ち上がる。
「お父さまにはご納得たいただけるよう私からよくご説明しておきますから」
その言葉に、取締役たちが苦い表情になった。
お父さまとはすなわち、JEDグループの代表取締役社長だ。
取引に影響はないか、心配しているのだろう。
龍之介だけは、平然としている。
「りゅ、龍之介! お前、冷静になって考えろ。結婚はお前だけの問題ではない! 今からでも詩織さんに詫びるんだ」
常務がやや青ざめて龍之介を叱責した。
「一時の感情で会社を危機に晒す気か? 詩織さんのなにが不満なんだ? どう考えても詩織さんは天瀬家の嫁に相応しいだろう!」