御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
その言葉に、龍之介が眉を上げる。
「そうですか?」
そして詩織に鋭い視線を送った。
「常務、そもそも、三年も前にお断りした縁談と、現在の私の結婚が一緒にされて記事にされる……どうしてだと思います?」
「……さあ」
少し話の矛先が変わったことに、常務が面食らったように答えた。
「裏で糸を引いているのは、久保商事ですよ」
龍之介が言い切ると、会議室がザワザワとした。
「久保商事の久保社長は、先日の花田文具買収の件で我が社……いや私に恨みを持ったようです」
一郎が龍之介の話を補足する。
「私の友人からの確かな情報だ。逆恨みもいいところだが、あの社長、もともと龍之介が嫌いだったのだろう。昔からやたらと突っかかっていた」
龍之介がうなずいた。
「私の醜聞を世に広めて表を歩けないようにしてやると息巻いて、週刊誌を焚き付けていたようです。我が社の社員にまで聞き回っていたようです。でも私は独身ですから真山さんとのことは、醜聞にはなりません。で、このようなでっち上げの記事ができあがったのでしょう」
龍之介がそう言って、タブレットを手に立ち上がる。
「それは理解できなくはないのですが、そもそもなぜ真山さんのことが外部に漏れたのでしょう?」
タブレットをスライドさせて記事を皆に見せた。
「真山さんと子供たちが乗った車が、私の家へ入るところの写真です。皆さんご存知の通り、私の家はベリが丘でもっともセキュリティの高いノースエリアにある。週刊誌の記者が入ることはできません。……それなのに、彼らはなぜこの写真を撮れたのか」
「そうですか?」
そして詩織に鋭い視線を送った。
「常務、そもそも、三年も前にお断りした縁談と、現在の私の結婚が一緒にされて記事にされる……どうしてだと思います?」
「……さあ」
少し話の矛先が変わったことに、常務が面食らったように答えた。
「裏で糸を引いているのは、久保商事ですよ」
龍之介が言い切ると、会議室がザワザワとした。
「久保商事の久保社長は、先日の花田文具買収の件で我が社……いや私に恨みを持ったようです」
一郎が龍之介の話を補足する。
「私の友人からの確かな情報だ。逆恨みもいいところだが、あの社長、もともと龍之介が嫌いだったのだろう。昔からやたらと突っかかっていた」
龍之介がうなずいた。
「私の醜聞を世に広めて表を歩けないようにしてやると息巻いて、週刊誌を焚き付けていたようです。我が社の社員にまで聞き回っていたようです。でも私は独身ですから真山さんとのことは、醜聞にはなりません。で、このようなでっち上げの記事ができあがったのでしょう」
龍之介がそう言って、タブレットを手に立ち上がる。
「それは理解できなくはないのですが、そもそもなぜ真山さんのことが外部に漏れたのでしょう?」
タブレットをスライドさせて記事を皆に見せた。
「真山さんと子供たちが乗った車が、私の家へ入るところの写真です。皆さんご存知の通り、私の家はベリが丘でもっともセキュリティの高いノースエリアにある。週刊誌の記者が入ることはできません。……それなのに、彼らはなぜこの写真を撮れたのか」