御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
それにことに気がついて、有紗は慌てて口を閉じた。
他の地域のチームまたがる意見を言うなんて、なにも知らないくせに生意気だと思われたかもしれない。
ただの雑談に熱くなってしまったのが恥ずかしい。
「あ……なにも知らないのに、申し訳ありませ……」
「いや、そんなことはないよ。それどころか模範解答だ。毎日直接データに触れているだけのことはある。一般職の社員にももっと話を聞くべきだと反省した」
その言葉に、有紗は一瞬啞然とする。
満足そうに微笑む彼を見て、ようやく褒められたのだと気がついた。
「あ……ありがとうございます」
龍之介が、優雅な仕草で首を傾げた。
「これはただの興味で聞くんだが、君はどうして一般職を受けたんだ? 以前から私は、君が作成した資料に添付されていた補足データからこの社員は相当知識があるなと踏んでいた。それだけ優秀なら、総合職でも十分結果が出せるだろう」
『ただの興味』と彼は言うが、会社のナンバーツーからの質問だ。有紗の背筋がピッとなった。
「……自分には、一般職が向いていると思ったからです。私、自分自身が目立つよりも誰かを支える仕事の方が好きなんです。海外事業部は、優秀な総合職の方がたくさんいらっしゃいます。皆さま優秀な方達ばかりですから、ついていくのは大変ですが、やりがいのある仕事です」
仕事に対する思いを嘘偽ることなく答える。
昔から真面目真面目と言われ続けて、それが不利に働くこともあったけれど、生まれながらの性分は変えられない。
やればやるほど結果が出るのが仕事が有紗は好きだった。しっかりやれば、ひとりで生きていける。
恋愛も結婚もしないでひとりで生きていくことを決めている有紗にとっては、仕事がパートナーみたいなものなのだ。
「なるほど」
口元に手をあてて、龍之介が呟いた。そのままジッと有紗を見つめる。
まるで値踏みをするような鋭い視線に、有紗の胸ががドキンと鳴った。
他の地域のチームまたがる意見を言うなんて、なにも知らないくせに生意気だと思われたかもしれない。
ただの雑談に熱くなってしまったのが恥ずかしい。
「あ……なにも知らないのに、申し訳ありませ……」
「いや、そんなことはないよ。それどころか模範解答だ。毎日直接データに触れているだけのことはある。一般職の社員にももっと話を聞くべきだと反省した」
その言葉に、有紗は一瞬啞然とする。
満足そうに微笑む彼を見て、ようやく褒められたのだと気がついた。
「あ……ありがとうございます」
龍之介が、優雅な仕草で首を傾げた。
「これはただの興味で聞くんだが、君はどうして一般職を受けたんだ? 以前から私は、君が作成した資料に添付されていた補足データからこの社員は相当知識があるなと踏んでいた。それだけ優秀なら、総合職でも十分結果が出せるだろう」
『ただの興味』と彼は言うが、会社のナンバーツーからの質問だ。有紗の背筋がピッとなった。
「……自分には、一般職が向いていると思ったからです。私、自分自身が目立つよりも誰かを支える仕事の方が好きなんです。海外事業部は、優秀な総合職の方がたくさんいらっしゃいます。皆さま優秀な方達ばかりですから、ついていくのは大変ですが、やりがいのある仕事です」
仕事に対する思いを嘘偽ることなく答える。
昔から真面目真面目と言われ続けて、それが不利に働くこともあったけれど、生まれながらの性分は変えられない。
やればやるほど結果が出るのが仕事が有紗は好きだった。しっかりやれば、ひとりで生きていける。
恋愛も結婚もしないでひとりで生きていくことを決めている有紗にとっては、仕事がパートナーみたいなものなのだ。
「なるほど」
口元に手をあてて、龍之介が呟いた。そのままジッと有紗を見つめる。
まるで値踏みをするような鋭い視線に、有紗の胸ががドキンと鳴った。