御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
人がいない間に不測の出来事はなかったかと心配してくれている。
業務上はともかく、なにもなかったとは言えないだろう。たとえ数分のことだとしても役員が立ち寄ったのだ。
ジャカルタ支社からデータが届いていることを龍之介が把握していると念のため伝えるべきかもしれない。
それなのに有紗は、龍之介との出来事を口にしなかった。
「わぁ、もうそこまでできたんだ。さすが真山さん」
丸山が有紗のモニターを見て言った。
「その早さならあとは余裕じゃん。お昼まだなんでしょ? 行っておいで」
「はい」
有紗は答えて、データを保存する。パソコンをシャットダウンすると丸山が頬杖をついてふふふと笑ってこっちを見ていた。
「今日もあの中華だったんですか?」
機嫌がいい理由を推測して、有紗は彼女に問いかけた。
龍之介が使うレストランは当然ながらどのメニューも絶品で彼女はそこの海老チリが大好きなのだ。
「うん、最高だった。」
丸山は頷く。だが笑っている理由は海老チリではないようだ。
「ランチでね、真山さんのことが話題になったんだよ」
「え⁉︎ 私が?」
「うん。すっごく優秀だって。たしか……そうだ、金崎くんが言い出したんだ。そしたら副社長が興味を持ったみたいで、そういえば『資料の作成者の欄に名前があるね』っておっしゃってた。すごく見やすいって!」
「そ、そうなんですか」
答えながら有紗はさっきの出来事を思い出していた。
突然のことに驚いて気が回らなかったが、よく考えてみれば役員室へ帰るだけなら、海外事業部は通らない。
直通のエレベーターがあるからだ。
それなのにここへ顔を出して、わざわざ話しかけてきたのは、ランチミーティングで話題になったから……?
「真山さん、今度はランチに参加してみなよ。副社長、真山さんにすごく興味を持っていらしたから。もしかしたらプロジェクトメンバーに抜擢されるかも!」
「まさか! でも……次はなるべく参加します」
業務上はともかく、なにもなかったとは言えないだろう。たとえ数分のことだとしても役員が立ち寄ったのだ。
ジャカルタ支社からデータが届いていることを龍之介が把握していると念のため伝えるべきかもしれない。
それなのに有紗は、龍之介との出来事を口にしなかった。
「わぁ、もうそこまでできたんだ。さすが真山さん」
丸山が有紗のモニターを見て言った。
「その早さならあとは余裕じゃん。お昼まだなんでしょ? 行っておいで」
「はい」
有紗は答えて、データを保存する。パソコンをシャットダウンすると丸山が頬杖をついてふふふと笑ってこっちを見ていた。
「今日もあの中華だったんですか?」
機嫌がいい理由を推測して、有紗は彼女に問いかけた。
龍之介が使うレストランは当然ながらどのメニューも絶品で彼女はそこの海老チリが大好きなのだ。
「うん、最高だった。」
丸山は頷く。だが笑っている理由は海老チリではないようだ。
「ランチでね、真山さんのことが話題になったんだよ」
「え⁉︎ 私が?」
「うん。すっごく優秀だって。たしか……そうだ、金崎くんが言い出したんだ。そしたら副社長が興味を持ったみたいで、そういえば『資料の作成者の欄に名前があるね』っておっしゃってた。すごく見やすいって!」
「そ、そうなんですか」
答えながら有紗はさっきの出来事を思い出していた。
突然のことに驚いて気が回らなかったが、よく考えてみれば役員室へ帰るだけなら、海外事業部は通らない。
直通のエレベーターがあるからだ。
それなのにここへ顔を出して、わざわざ話しかけてきたのは、ランチミーティングで話題になったから……?
「真山さん、今度はランチに参加してみなよ。副社長、真山さんにすごく興味を持っていらしたから。もしかしたらプロジェクトメンバーに抜擢されるかも!」
「まさか! でも……次はなるべく参加します」