御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
プロジェクトメンバーの件はともかくとして、やはり次は参加はしようと有紗は思う。
さっきの龍之介とのやり取りで彼に対する苦手意識はもうあまりなくなった。
「皆が口々に真山さんを褒めてさ、指導係の私も副社長から褒められたんだよ! 完全に棚ぼただけど嬉しかった〜」
「棚ぼただなんてそんな。私がお役に立てているとしたら、丸山さんに教えてもらったおかげですから」
有紗が心からそう言うと、丸山がにっこりと笑う。
「真山さん、真面目で優秀なだけじゃなくていい子だって副社長に言っておいたからね」
そこで彼女はなにかを思い出したような表情になり、ガッカリといった様子で肩を落とした。
「でも副社長が帰ったあと、残念な話を聞いちゃった……」
「残念な話?」
「そう。副社長の縁談の話」
「縁談? ご結婚されるんですか?」
有紗はさっきの浜田とのやりとりを思い出す。彼はなにも言っていなかったが……。
「らしいよ。副社長の新しい秘書がどうやら婚約者らしいの」
「秘書? ……でも副社長の秘書は、確か男性だったんじゃ」
さっきの龍之介についていたのも男性だった。
「それは第一秘書。実は社内ではあんまり知られていない第二秘書がいて、JEDグループの創業者一族のご令嬢なんだって」
JEDグループは、日本で第二位のエネルギー会社だ。
「社会勉強のために入社したらしいけど彼女が実は婚約者なんだって話だよ。金崎くんの同期の先輩が秘書課の人と同期で、その人の……あー、なんだっけ。とにかく噂が回ってきたってわけ。まぁ噂は噂だけど、その第二秘書本人が言ってたって話だから、本当の話なんじゃないかな」
そう言って丸山は、机に突っ伏した。
「あー、日々の楽しみがひとつ奪われた。そりゃ、私が本気で副社長とどうなれるなんて思ってたわけじゃないし、いつかはご結婚されると思ってだけど。いざ現実なるとテンション下がる。推しの熱愛が発覚して二キロやせたって言ってた友達の気持ちがわかったよ」
「JEDグループのご令嬢……」
さっきの龍之介とのやり取りで彼に対する苦手意識はもうあまりなくなった。
「皆が口々に真山さんを褒めてさ、指導係の私も副社長から褒められたんだよ! 完全に棚ぼただけど嬉しかった〜」
「棚ぼただなんてそんな。私がお役に立てているとしたら、丸山さんに教えてもらったおかげですから」
有紗が心からそう言うと、丸山がにっこりと笑う。
「真山さん、真面目で優秀なだけじゃなくていい子だって副社長に言っておいたからね」
そこで彼女はなにかを思い出したような表情になり、ガッカリといった様子で肩を落とした。
「でも副社長が帰ったあと、残念な話を聞いちゃった……」
「残念な話?」
「そう。副社長の縁談の話」
「縁談? ご結婚されるんですか?」
有紗はさっきの浜田とのやりとりを思い出す。彼はなにも言っていなかったが……。
「らしいよ。副社長の新しい秘書がどうやら婚約者らしいの」
「秘書? ……でも副社長の秘書は、確か男性だったんじゃ」
さっきの龍之介についていたのも男性だった。
「それは第一秘書。実は社内ではあんまり知られていない第二秘書がいて、JEDグループの創業者一族のご令嬢なんだって」
JEDグループは、日本で第二位のエネルギー会社だ。
「社会勉強のために入社したらしいけど彼女が実は婚約者なんだって話だよ。金崎くんの同期の先輩が秘書課の人と同期で、その人の……あー、なんだっけ。とにかく噂が回ってきたってわけ。まぁ噂は噂だけど、その第二秘書本人が言ってたって話だから、本当の話なんじゃないかな」
そう言って丸山は、机に突っ伏した。
「あー、日々の楽しみがひとつ奪われた。そりゃ、私が本気で副社長とどうなれるなんて思ってたわけじゃないし、いつかはご結婚されると思ってだけど。いざ現実なるとテンション下がる。推しの熱愛が発覚して二キロやせたって言ってた友達の気持ちがわかったよ」
「JEDグループのご令嬢……」