御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
完璧に手入れされた明るい色のセミロングの髪と、ラインストーンが入ったピンクベージュの爪先。明るい色のスーツは上品な光沢を放っている。
秘書課の社員は役員に同行することも多いから常に身なりを整えておくのも仕事のうち。だとしても、少し印象が派手だった。
詩織は、もう有紗には興味はないというようにまたパソコンへ向かっている。
「では副社長へ挨拶に行きましょう。部屋でお待ちです」
千賀の言葉に頷いて、ふたりして秘書室を出る。廊下を歩きながら有紗は千賀に尋ねた。
「私の担当は副社長ということでしょうか?」
念のための確認だ。
第一秘書に迎えられ、第二秘書を特別に紹介されたのだから間違いないだろう。
そもそも、龍之介が有紗を指名したという話だ。
「そうです。ですが詳しいことは副社長から直接聞いてください」
千賀が茶色い重厚な扉の前で足を止めノックする。
「副社長、真山さんをお連れしました」
入室した有紗の目にまず飛び込んできたのは、足元まである大きな窓に写るベリが丘の街だった。
海外事業部がある六階からも街を望むことはできるけれど、最上階からの眺めは圧巻だ。
街のシンボル、ツインタワーが日の光に照らされて輝いている。
龍之介は、窓を背に立っていた。
まるでこの街全体が、彼のためにあるようなそんな錯覚をしてしまいそうになる風格、圧倒的な存在感に、有紗は息を呑む。
「来たね」
そう言って彼は優雅に微笑んだ。
今日からこの人のもとで働くのだと思うと、期待というよりは恐れのようなものを感じて胸が震えた。
「では私はこれで」
千賀が頭を下げて退室した。
「そこに座って」
龍之介に促されて、有紗は応接スペースへ移動する。ふたり、向かい合わせに座る。
秘書課の社員は役員に同行することも多いから常に身なりを整えておくのも仕事のうち。だとしても、少し印象が派手だった。
詩織は、もう有紗には興味はないというようにまたパソコンへ向かっている。
「では副社長へ挨拶に行きましょう。部屋でお待ちです」
千賀の言葉に頷いて、ふたりして秘書室を出る。廊下を歩きながら有紗は千賀に尋ねた。
「私の担当は副社長ということでしょうか?」
念のための確認だ。
第一秘書に迎えられ、第二秘書を特別に紹介されたのだから間違いないだろう。
そもそも、龍之介が有紗を指名したという話だ。
「そうです。ですが詳しいことは副社長から直接聞いてください」
千賀が茶色い重厚な扉の前で足を止めノックする。
「副社長、真山さんをお連れしました」
入室した有紗の目にまず飛び込んできたのは、足元まである大きな窓に写るベリが丘の街だった。
海外事業部がある六階からも街を望むことはできるけれど、最上階からの眺めは圧巻だ。
街のシンボル、ツインタワーが日の光に照らされて輝いている。
龍之介は、窓を背に立っていた。
まるでこの街全体が、彼のためにあるようなそんな錯覚をしてしまいそうになる風格、圧倒的な存在感に、有紗は息を呑む。
「来たね」
そう言って彼は優雅に微笑んだ。
今日からこの人のもとで働くのだと思うと、期待というよりは恐れのようなものを感じて胸が震えた。
「では私はこれで」
千賀が頭を下げて退室した。
「そこに座って」
龍之介に促されて、有紗は応接スペースへ移動する。ふたり、向かい合わせに座る。