御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
まだ胸はドキドキとしたままだった。
ドキドキの原因のほとんどは、将来への希望だ。
異動は、有紗の今までの頑張りを認められたからだと言った浜田の話は本当だった。
自分にどれほどの力があるのかわからない。
自信があるわけではないけれど、今は彼の言葉を信じて精一杯やってみよう。
でもその希望の中に、ほんの少し不安が混ざっているのを有紗は確かに感じていた。
最後に彼が口にした渡辺に関する言葉に、原因不明の落胆を覚えたからだ。
『個人的に頼まれてお預かりしている』
噂は本当だった。彼は近々結婚する。
龍之介のプライベートという自分にはまったく関係のない事実に、引っかかりを感じる。
そのことに有紗は言いようのない危機感を覚える。
有紗は胸元に手を置いた。この胸の高鳴りは、今までやってきたことを認められたという喜びからくるものだ。
そう自分に言い聞かせる。
そして。
——あの人は、同じ空間にいても住む世界が違う人。
わざわざ言葉にしなくてもわかっている、あたりまえすぎる事実をわざわざ胸に刻み込み、秘書室に向かって歩き出した。
ドキドキの原因のほとんどは、将来への希望だ。
異動は、有紗の今までの頑張りを認められたからだと言った浜田の話は本当だった。
自分にどれほどの力があるのかわからない。
自信があるわけではないけれど、今は彼の言葉を信じて精一杯やってみよう。
でもその希望の中に、ほんの少し不安が混ざっているのを有紗は確かに感じていた。
最後に彼が口にした渡辺に関する言葉に、原因不明の落胆を覚えたからだ。
『個人的に頼まれてお預かりしている』
噂は本当だった。彼は近々結婚する。
龍之介のプライベートという自分にはまったく関係のない事実に、引っかかりを感じる。
そのことに有紗は言いようのない危機感を覚える。
有紗は胸元に手を置いた。この胸の高鳴りは、今までやってきたことを認められたという喜びからくるものだ。
そう自分に言い聞かせる。
そして。
——あの人は、同じ空間にいても住む世界が違う人。
わざわざ言葉にしなくてもわかっている、あたりまえすぎる事実をわざわざ胸に刻み込み、秘書室に向かって歩き出した。