御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
嫌味な言葉が聞こえてきて、足を止めて振り返る。会のはじめに、有紗を質問責めにした三人だった。
向こうを向いていてこちらを見てはいないけれど有紗に言ったのは間違いない。
この場に秘書課の人間は有紗しかいない。
「ちょっとなによそれ」
有紗の隣の同期が、眉を寄せて問いかける。
「どういう意味よ」
すると三人組は、しらを切ることもなく有紗を見た。
「ノリの悪い人はお断りって言ってるの」
「そうそう、私たちちょっとだけ副社長の話を聞きたかっただけなのに、ぜーんぜんなにも言ってくれないんだもん」
子供みたいな言い分だ。ちょっと圧の強いメンバーだが、普段はこんな風にあからさまに誰かを責めたりする人たちではない。
でも今は酒が入っているからか、歯止めが効かなくなっている。
「普通あそこまで秘密にする?」
「私は特別。副社長のことを知ってるの!って優越感に浸ってるのよ」
「感じ悪る」
言いたい放題である。
大きな声でのやり取りに、他の社員が気がついた。
「ちょっとやめなって。飲み過ぎだよ」
「ほら解散解散」
そして皆散り散りになって、駅の方向へ帰っていった。
「やな感じ。あの子たち有紗を妬んでるんだよ。有紗が海外事業部に配属になった時も羨ましがってたんだもん。エリート集団とお近づきになれるって言って。それが次は秘書課でしょ。有紗、気にしちゃダメだよ」
「うん、大丈夫」
「有紗も駅だよね。行こう」
「うん、だけどちょっと酔ったかも。コンビニで飲み物買ってから帰る」
なんとなく、有紗は言う。
このまま帰ると嫌な気持ちを持ち帰ってしまいそうだ。それに、皆ベリが丘の駅へ向かう、うっかりまた彼女たちと同じ電車になるのは嫌だった。
「そう、付き合おうか?」
「大丈夫、またね」
「うん、気をつけてね」
向こうを向いていてこちらを見てはいないけれど有紗に言ったのは間違いない。
この場に秘書課の人間は有紗しかいない。
「ちょっとなによそれ」
有紗の隣の同期が、眉を寄せて問いかける。
「どういう意味よ」
すると三人組は、しらを切ることもなく有紗を見た。
「ノリの悪い人はお断りって言ってるの」
「そうそう、私たちちょっとだけ副社長の話を聞きたかっただけなのに、ぜーんぜんなにも言ってくれないんだもん」
子供みたいな言い分だ。ちょっと圧の強いメンバーだが、普段はこんな風にあからさまに誰かを責めたりする人たちではない。
でも今は酒が入っているからか、歯止めが効かなくなっている。
「普通あそこまで秘密にする?」
「私は特別。副社長のことを知ってるの!って優越感に浸ってるのよ」
「感じ悪る」
言いたい放題である。
大きな声でのやり取りに、他の社員が気がついた。
「ちょっとやめなって。飲み過ぎだよ」
「ほら解散解散」
そして皆散り散りになって、駅の方向へ帰っていった。
「やな感じ。あの子たち有紗を妬んでるんだよ。有紗が海外事業部に配属になった時も羨ましがってたんだもん。エリート集団とお近づきになれるって言って。それが次は秘書課でしょ。有紗、気にしちゃダメだよ」
「うん、大丈夫」
「有紗も駅だよね。行こう」
「うん、だけどちょっと酔ったかも。コンビニで飲み物買ってから帰る」
なんとなく、有紗は言う。
このまま帰ると嫌な気持ちを持ち帰ってしまいそうだ。それに、皆ベリが丘の駅へ向かう、うっかりまた彼女たちと同じ電車になるのは嫌だった。
「そう、付き合おうか?」
「大丈夫、またね」
「うん、気をつけてね」