御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
——はじめて足を踏み入れたル・メイユールの寝室は、天然木の調度品と最高級ファブリックでそろえられた心地のいい空間だ。
オレンジ色のフッドライトに浮かびあがる真っ白なベッドに、有紗は優しく寝かされる。
膝立ちになり、ジャケットを脱ぐ彼を見上げて、有紗は急に不安になる。
たとえ一夜の相手だとしても、自分は彼と愛を交わすに相応しくないと思ったからだ。有紗はまったく経験がない。
そんな有紗に龍之介が気がついた。
有紗の頬を右手の甲で優しく撫でた。
「怖いか?」
怖くないと言ったら嘘になる。自分たちはこれからしてはいけないことをする。
しかもそれすらちゃんとできるかわからないのだ。
それでも迷う気持ちは一切ない。
「私……その、経験がなくて……だから、迷惑をかけてしまうかも……」
目を伏せて正直な気持ちを口にすると、龍之介が柔らかく微笑んだ。
「どうしてそんな風に思うんだ」
そして有紗の手を取って、そこへ優しく口づけた。
「嬉しいよ。……大丈夫、君はなにも考えずに俺に任せていればいい」
優しい言葉と彼の唇の感触に、有紗の背中を甘い痺れが駆け抜けた。
今夜を超えたその先に、どんな未来が待っていても、今夜起きたことは忘れない。
有紗はゆっくりと目を閉じて、ひと夜限りの彼の愛に身を任せた。
「有紗、愛してる。愛してるよ」
自分の名を呼ぶ低い声音も。
耳にかかる熱い吐息も。
肌を辿る大きな手の温もりも。
有紗は心に刻み込む。
——今夜だけ、今夜だけだから。
静かな春の夜の夢のような一夜だった。
オレンジ色のフッドライトに浮かびあがる真っ白なベッドに、有紗は優しく寝かされる。
膝立ちになり、ジャケットを脱ぐ彼を見上げて、有紗は急に不安になる。
たとえ一夜の相手だとしても、自分は彼と愛を交わすに相応しくないと思ったからだ。有紗はまったく経験がない。
そんな有紗に龍之介が気がついた。
有紗の頬を右手の甲で優しく撫でた。
「怖いか?」
怖くないと言ったら嘘になる。自分たちはこれからしてはいけないことをする。
しかもそれすらちゃんとできるかわからないのだ。
それでも迷う気持ちは一切ない。
「私……その、経験がなくて……だから、迷惑をかけてしまうかも……」
目を伏せて正直な気持ちを口にすると、龍之介が柔らかく微笑んだ。
「どうしてそんな風に思うんだ」
そして有紗の手を取って、そこへ優しく口づけた。
「嬉しいよ。……大丈夫、君はなにも考えずに俺に任せていればいい」
優しい言葉と彼の唇の感触に、有紗の背中を甘い痺れが駆け抜けた。
今夜を超えたその先に、どんな未来が待っていても、今夜起きたことは忘れない。
有紗はゆっくりと目を閉じて、ひと夜限りの彼の愛に身を任せた。
「有紗、愛してる。愛してるよ」
自分の名を呼ぶ低い声音も。
耳にかかる熱い吐息も。
肌を辿る大きな手の温もりも。
有紗は心に刻み込む。
——今夜だけ、今夜だけだから。
静かな春の夜の夢のような一夜だった。