御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
「どうして謝る?」
「……相談もなしに勝手に生んで、副社長にご迷惑を……」
「そんな言い方をするな」
龍之介が、強い口調で有紗の言葉を遮った。
普段温厚な彼にしては珍しい言動に、有紗は目を見張って口を閉じた。
「……声を荒げてすまなかった。だがそんな風には言わないでくれ。相談してほしかったとは思うが、できなかった君の気持ちもよくわかる。私は子供たちのことを迷惑だとは思っていない。謝るのは私の方だ」
真っ直ぐな視線と誠実な言葉が、有紗の胸を貫いて、あっという間に視界が滲む。
この人の子どもだから、生みたいと思ったのだ。
いけないこととわかっていてもどうしても貫きたかった。
龍之介が、有紗に向かって頭を下げた。
「大変な時期をひとりで過ごさせて申し訳なかった」
「そんな……! 頭を上げてください、副社長。副社長は悪くありません。なにも知らなかったんですから! 私が相談しなかったから……」
「だが君がそうできなかったのは私のせいだ。私が……」
彼はそこで口を閉じて苦い表情になる。でもすぐに気を取りなおしたように口を開いた。
「これから先の話をさせてくれ。できるだけ早く認知をして、君と子供たちを支えたい」
予想通りの言葉に、有紗は首を横に振った。
「そんなことはお願いできません」
「……それは、君が私を子供たちの父親として認めたくないからか?」
「そうではなくて……」
「ならどうして? 俺たちの関係がどうだとしても子供たちは自分の父親を知る権利がある」
有紗は口を噤む。彼の口から聞くのは怖いけれど言わなくては伝わらないようだと覚悟を決める。
「確かに子供たちにとってはその方がいいのは確かです。ですがそれでは奥さまが悲しまれるのではないでしょうか?」
龍之介が不意を突かれたように瞬きをした。そして眉を寄せる。
「奥さま……? 誰のことだ?」
聞き返されて有紗は驚きながら答える。
「渡辺さんです。……ご結婚されたんじゃないですか?」
「渡辺って、秘書室の? いや、そんな事実はない。私はずっと独身だ」
「え……?」
言い切る彼に有紗の頭が混乱する。
いったいどういうことだろう?
「……相談もなしに勝手に生んで、副社長にご迷惑を……」
「そんな言い方をするな」
龍之介が、強い口調で有紗の言葉を遮った。
普段温厚な彼にしては珍しい言動に、有紗は目を見張って口を閉じた。
「……声を荒げてすまなかった。だがそんな風には言わないでくれ。相談してほしかったとは思うが、できなかった君の気持ちもよくわかる。私は子供たちのことを迷惑だとは思っていない。謝るのは私の方だ」
真っ直ぐな視線と誠実な言葉が、有紗の胸を貫いて、あっという間に視界が滲む。
この人の子どもだから、生みたいと思ったのだ。
いけないこととわかっていてもどうしても貫きたかった。
龍之介が、有紗に向かって頭を下げた。
「大変な時期をひとりで過ごさせて申し訳なかった」
「そんな……! 頭を上げてください、副社長。副社長は悪くありません。なにも知らなかったんですから! 私が相談しなかったから……」
「だが君がそうできなかったのは私のせいだ。私が……」
彼はそこで口を閉じて苦い表情になる。でもすぐに気を取りなおしたように口を開いた。
「これから先の話をさせてくれ。できるだけ早く認知をして、君と子供たちを支えたい」
予想通りの言葉に、有紗は首を横に振った。
「そんなことはお願いできません」
「……それは、君が私を子供たちの父親として認めたくないからか?」
「そうではなくて……」
「ならどうして? 俺たちの関係がどうだとしても子供たちは自分の父親を知る権利がある」
有紗は口を噤む。彼の口から聞くのは怖いけれど言わなくては伝わらないようだと覚悟を決める。
「確かに子供たちにとってはその方がいいのは確かです。ですがそれでは奥さまが悲しまれるのではないでしょうか?」
龍之介が不意を突かれたように瞬きをした。そして眉を寄せる。
「奥さま……? 誰のことだ?」
聞き返されて有紗は驚きながら答える。
「渡辺さんです。……ご結婚されたんじゃないですか?」
「渡辺って、秘書室の? いや、そんな事実はない。私はずっと独身だ」
「え……?」
言い切る彼に有紗の頭が混乱する。
いったいどういうことだろう?