御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
それで大丈夫なのだろうか?
 
なんといっても彼の仕事は激務なのだ。業務に関することだけでなく体調面も気にかける専属の誰かがいるほうがいいに決まっている……。
 
有紗が彼の秘書に戻ったとしたら、たとえリモートだとしてもスケジュールの入れ方を工夫して、同行者に彼に関する注意事項を引き継ぎして、深刻な案件は自分が行くようにすれば……。

「もちろん、君の希望が優先だ」
 
龍之介の言葉に、有紗はハッとする。
 
ほとんど無意識のうちに、頭の中で勝手に段取りしてしまっていた。

「なんなら働かなくてもいい。そもそも双子を抱えて働くのはたいへんだろう。君と子供たちに必要な費用は生涯にわたって私が保証する。育児に専念したいならそれでもいい」

「そんな……そんなことお願いできません」
 
有紗は首を横に振った。

子供たちはともかく自分まで彼に面倒をみてもらうなんてあり得ない。

「私、働きます」

龍之介が眉を上げた。

「どこで?」
 
再び選択を迫る彼に、有紗はしばらく考える。秘書に戻れないと思った原因はふたつ。
 
ひとつめは、彼に双子のことを知られたくなかったから。

ふたつめは子供を抱えての勤務では秘書課は務まらないと思ったからだ。
 
すでにふたつともが解消されている……。
 
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