はいはい、こちら中野通交番です。 ただいま就寝中。
今日の昼はトンカツ弁当を食べようかな。 やることは無くても腹は減るからね。
と思ったら無線が騒いでますねえ。 なになに、、、盗難車両が盗まれただって?
盗まれるから盗難車両って言うんでしょうがね? しっかりしてくれよーーーーー。
無線の内容を聞いていると俺の出番は無さそうだねえ、よかった。
でもさあ、たまにはパーッと活躍したいよねえ 俺だって。
どっかの刑事みたいに地面を転がりながら拳銃を撃つとか、、、。
ガラス戸を突き破って人質を助けるとかさあ、、、。
そんなん起きないかなあ? 無理だわ たぶん。
さあさあ、見回りに行ってきましょうか。 散歩だけど、、、。
でもね、散歩してるといろんな情報を貰えるのよ。
少年課に可愛い女性警官が居るとか、、、。
角のケーキ屋のモンブランが美味しいとか、、、。
一人暮らしのよしさんが転んだとか、、、。 それは危ないやんか。
静かな静かな昼下がり。 コンビニが賑わっているだけ。
本当に事件らしい事件が起きないねえ、この町は。 なぬ? お前が結婚したら大事件だ?
母ちゃんはそう思ってるかもねえ。 姉ちゃんはいいとして、、、。
でもさあ、姉ちゃんも時々ドキッとさせるんだよ。
俺の部屋に包丁を持って入ってきたり、灯油缶を倒してみたり、、、。
いつだったかな、俺が風呂に入っていたらいきなり素っ裸で飛び込んできたことが有った。
いくら姉ちゃんとはいっても驚くよ。 本人は至って平静だったけど、、、。
さてと、見回り見回り。 バス通りはいつも通りだなあ。
って何がいつも通りなんだよ? 車は少ないし、人も歩いてないし、、、。
昭和も30年代はもーーーーーーーーーっともっと賑やかだったって聞いてるんですけど。
あの頃に帰りたい。 こんな寂しい町は嫌じゃあ。
ここのバス停、中野通交番前って言うんだよ。 すっかり目立たない交番なのに、、、。
それでさあ、バスが止まると交番前 交番前ってアナウンスがうるさいの。
それを聞いた女の子が「何処に交番が在るの?」ってママに本気で聞いたことが有る。
ママは苦笑いしながら「あそこよ あそこ。」って俺を指差してたっけ。 なんだかなあ、、、。
バスは朝と夕方だけ。 昼は走ってたんだっけ?
ああ、走ってたわ。 たまにじいさんが乗ってるからね。
空を見上げると雲がポッカリと浮かんでます。 気持ち良さそう。
俺も雲になりたいわーーーーーー。 何するの?
何処までも何処までも流されていくのよ。 気付いたら何処に居るのか分からないくらいにね。
それってさあ、「もう あなたは要りません。」ってことやないかーい。
交番に戻ってくると無線が騒いでます。 盗難車が見付かったんだってーー。
それはそれはおめでとうございまーす。 俺は出番無しなのね?
たまにはさあ、少しくらい仕事させてよ。 せっかく警官なんだから。
と思ってコーヒーを飲んでいたら、、、。 「待てーーーーーーーー!」
(何か騒いでるぞ。) 外へ出てみたら猛スピードで自転車が逃げて行きます。
事件だと思って俺もママチャリに、、、。 いざ出発。
後から真っ赤になったおっさんが怖い顔して追い掛けてきましたよ。 何をしたんでしょうか?
「あんた 邪魔!」 おっさんは俺を蹴飛ばして走って行きました。
何すんねん? 痛いやないか。
蹴飛ばされた勢いで縁石にぶつかった俺は自転車ごと転んでしまいましたがな。
ったくもう、、、。 しょうがないなあ。
ズボンを泥だらけにして交番へ帰ってきました。 何をしてるんだろう?
帰ったら母ちゃんに思いっきり笑われるなあ。 「あんたってほんとに警官なの?」
言っちゃ悪いけど本物です 私は。 ちゃんと警察手帳も持ってるし、、、。
ところがさあ、まず信じないのよね 母ちゃんは。 「お前 ほんとに雇ってもらってるのかい?」って今でも聞いてくるから。
それでさあ、給与明細を見せてやると「ああ、ほんとなのね。 まあまあ頑張りなさい。」だってさ。
頑張れって言われてもこの町じゃあ頑張れないよ 事件が起きないんだから。
「犯人を捕まえるだけが警察じゃないのよ。 道案内とか迷子の相談とか有るでしょう?」
俺が案内するほどややこしい町でもないし、迷子が出るほど大きくもないから安心だよ。
さてさて、夕方になりました。 今日も結局は何も起きなかったなあ。
棚から数冊の小説を取り出して目を通してみる。 埃をかぶってる本も有るから。
なになに? 執着愛? 興味無いなあ。
え? 甘々の溺愛シリーズ? そんなん興味も無いわ。
御曹司の執着愛? うわーーーーーーー、最高に気分悪くなる。
それで、せっかく取り出したのに全部棚に戻してしまった。 読みたい小説はなかなかに見付からん。
友達がさあ、「小説を書いてるんだ。」なんて言ってたけど、まさかこんなんを書いてるんやないやろなあ?
聞く気も無いから敢えて聞かんけど、、、。
もっとすっきりした小説を読みたいもんやなあ。 やーーの組長がどうしたとか御曹司に惚れられてどうなったとか、そんなんは要らんから。
ああ、せっかくの休み時間が潰れちゃったわ。 もったいないもったいない。
何気にニュースを見ていると「驚異的な円安が、、、」って騒いでる。 アホか。
40年前は1ドル250円くらいだったでしょうがね。
それで日本が儲けてるものだからアメリカが面白くなくて130円くらいにまで円高に誘導したのよ。
そこへバブルが弾けて景気がおかしくなって、円高が進んだの。
海外で活躍している人たちは焦ったろうなあ。 日本円に換算すると儲けが減るんだから。
1ドル80円なんて言われた時も有ったけど、その時は輸出業者が大ダメージを食らったもんだ。
円安と円高、どっちがいいのかねえ? 俺にはどっちでもいいけど。
たまに週刊誌も読んでみる。 けどさあ、中身はスッカラカンだよなあ。 ただ騒ぎたいだけ、流行らせたいだけ、囃したいだけで中身が無い。
あの女優がどうしたの、こいつがどうしたのって書いてるけど、そんなの俺たちから見ればどうだっていいんだよ。
芸能人って浮気でも何でもやってないと気が済まないんでしょう? 勝手にやって勝手に潰れてよ。
売れようと売れまいと関係無いからさあ。 うざいんだよ。
誰が誰に襲われたの絡まれたのって騒ぐのもいい加減にしないかい?
そんなのはさあ、警察に任せておけばいいんだよ。 賞金稼ぎになるっしょ。
え? お前はどうなんだって? そんなのバカバカしくてやってらんないよ。
そんなに美味しい事件なんて転がってないんだから。
そこへ無線が入りました。 「中野通交番 どうぞ。」
「はいはい。 こちら中野通交番ですが、、、。」 「上吉田方面から窃盗犯が逃亡中。 検問を張ってほしい。」
「検問?」 「そう。 中央通りをそちらに向かっている。 若い男と女 二人だ。」
「了解しました。」 初めての検問活動だ。
何か知らんが身震いがする。 上吉田、、、と言えば焼けたスーパーが在るあちらのほうだね。
ママチャリに乗っかりまして犯人が逃げてくる方向を睨んでおりますと、、、。
「ねえねえ、お巡りさん そこ邪魔。」という声が聞こえます。 振り向くと無線で聞いた犯人、、、。
咄嗟に二人を捕まえまして交番へ引っ張り込みました。 二人はもがいてますねえ。
「君たち 何を盗んだの?」 静かに静かに問いかけるのですが、、、。
二人は逃げるのに必死なようですねえ。 「聞いてるんだからさあ、応えてよ。」
「何も盗んでないよ。」 「え?」
「盗んでないんだってば。」 「じゃあさあ、後ろに隠してるそれは何かな?」
若い女が意表を突かれたような顔をして俺を見た。 「謝ったってダメだぞ。 盗んだんでしょ? 出しなさい。」
でもでも、それからが大変。 出すの出さないのって押し問答を繰り返してます。
そこへ二人を追っていたパトカーがやってきました。 「ご苦労さん。 連れてくね。」
お巡りさんは俺にそう言うと二人を連行していきました。 「犯人逮捕。」
「ああ、さっき聞いたよ。 ご苦労さん。」 (軽いもんだなあ。 人の気も知らないで、、、。)
取り合えず窃盗犯は捕まったわけです。 良かった良かった。
ってさあ、俺は何をしたの? せっかく働いたんだから誉めてくれよ たまにはさあ。
と思ったら無線が騒いでますねえ。 なになに、、、盗難車両が盗まれただって?
盗まれるから盗難車両って言うんでしょうがね? しっかりしてくれよーーーーー。
無線の内容を聞いていると俺の出番は無さそうだねえ、よかった。
でもさあ、たまにはパーッと活躍したいよねえ 俺だって。
どっかの刑事みたいに地面を転がりながら拳銃を撃つとか、、、。
ガラス戸を突き破って人質を助けるとかさあ、、、。
そんなん起きないかなあ? 無理だわ たぶん。
さあさあ、見回りに行ってきましょうか。 散歩だけど、、、。
でもね、散歩してるといろんな情報を貰えるのよ。
少年課に可愛い女性警官が居るとか、、、。
角のケーキ屋のモンブランが美味しいとか、、、。
一人暮らしのよしさんが転んだとか、、、。 それは危ないやんか。
静かな静かな昼下がり。 コンビニが賑わっているだけ。
本当に事件らしい事件が起きないねえ、この町は。 なぬ? お前が結婚したら大事件だ?
母ちゃんはそう思ってるかもねえ。 姉ちゃんはいいとして、、、。
でもさあ、姉ちゃんも時々ドキッとさせるんだよ。
俺の部屋に包丁を持って入ってきたり、灯油缶を倒してみたり、、、。
いつだったかな、俺が風呂に入っていたらいきなり素っ裸で飛び込んできたことが有った。
いくら姉ちゃんとはいっても驚くよ。 本人は至って平静だったけど、、、。
さてと、見回り見回り。 バス通りはいつも通りだなあ。
って何がいつも通りなんだよ? 車は少ないし、人も歩いてないし、、、。
昭和も30年代はもーーーーーーーーーっともっと賑やかだったって聞いてるんですけど。
あの頃に帰りたい。 こんな寂しい町は嫌じゃあ。
ここのバス停、中野通交番前って言うんだよ。 すっかり目立たない交番なのに、、、。
それでさあ、バスが止まると交番前 交番前ってアナウンスがうるさいの。
それを聞いた女の子が「何処に交番が在るの?」ってママに本気で聞いたことが有る。
ママは苦笑いしながら「あそこよ あそこ。」って俺を指差してたっけ。 なんだかなあ、、、。
バスは朝と夕方だけ。 昼は走ってたんだっけ?
ああ、走ってたわ。 たまにじいさんが乗ってるからね。
空を見上げると雲がポッカリと浮かんでます。 気持ち良さそう。
俺も雲になりたいわーーーーーー。 何するの?
何処までも何処までも流されていくのよ。 気付いたら何処に居るのか分からないくらいにね。
それってさあ、「もう あなたは要りません。」ってことやないかーい。
交番に戻ってくると無線が騒いでます。 盗難車が見付かったんだってーー。
それはそれはおめでとうございまーす。 俺は出番無しなのね?
たまにはさあ、少しくらい仕事させてよ。 せっかく警官なんだから。
と思ってコーヒーを飲んでいたら、、、。 「待てーーーーーーーー!」
(何か騒いでるぞ。) 外へ出てみたら猛スピードで自転車が逃げて行きます。
事件だと思って俺もママチャリに、、、。 いざ出発。
後から真っ赤になったおっさんが怖い顔して追い掛けてきましたよ。 何をしたんでしょうか?
「あんた 邪魔!」 おっさんは俺を蹴飛ばして走って行きました。
何すんねん? 痛いやないか。
蹴飛ばされた勢いで縁石にぶつかった俺は自転車ごと転んでしまいましたがな。
ったくもう、、、。 しょうがないなあ。
ズボンを泥だらけにして交番へ帰ってきました。 何をしてるんだろう?
帰ったら母ちゃんに思いっきり笑われるなあ。 「あんたってほんとに警官なの?」
言っちゃ悪いけど本物です 私は。 ちゃんと警察手帳も持ってるし、、、。
ところがさあ、まず信じないのよね 母ちゃんは。 「お前 ほんとに雇ってもらってるのかい?」って今でも聞いてくるから。
それでさあ、給与明細を見せてやると「ああ、ほんとなのね。 まあまあ頑張りなさい。」だってさ。
頑張れって言われてもこの町じゃあ頑張れないよ 事件が起きないんだから。
「犯人を捕まえるだけが警察じゃないのよ。 道案内とか迷子の相談とか有るでしょう?」
俺が案内するほどややこしい町でもないし、迷子が出るほど大きくもないから安心だよ。
さてさて、夕方になりました。 今日も結局は何も起きなかったなあ。
棚から数冊の小説を取り出して目を通してみる。 埃をかぶってる本も有るから。
なになに? 執着愛? 興味無いなあ。
え? 甘々の溺愛シリーズ? そんなん興味も無いわ。
御曹司の執着愛? うわーーーーーーー、最高に気分悪くなる。
それで、せっかく取り出したのに全部棚に戻してしまった。 読みたい小説はなかなかに見付からん。
友達がさあ、「小説を書いてるんだ。」なんて言ってたけど、まさかこんなんを書いてるんやないやろなあ?
聞く気も無いから敢えて聞かんけど、、、。
もっとすっきりした小説を読みたいもんやなあ。 やーーの組長がどうしたとか御曹司に惚れられてどうなったとか、そんなんは要らんから。
ああ、せっかくの休み時間が潰れちゃったわ。 もったいないもったいない。
何気にニュースを見ていると「驚異的な円安が、、、」って騒いでる。 アホか。
40年前は1ドル250円くらいだったでしょうがね。
それで日本が儲けてるものだからアメリカが面白くなくて130円くらいにまで円高に誘導したのよ。
そこへバブルが弾けて景気がおかしくなって、円高が進んだの。
海外で活躍している人たちは焦ったろうなあ。 日本円に換算すると儲けが減るんだから。
1ドル80円なんて言われた時も有ったけど、その時は輸出業者が大ダメージを食らったもんだ。
円安と円高、どっちがいいのかねえ? 俺にはどっちでもいいけど。
たまに週刊誌も読んでみる。 けどさあ、中身はスッカラカンだよなあ。 ただ騒ぎたいだけ、流行らせたいだけ、囃したいだけで中身が無い。
あの女優がどうしたの、こいつがどうしたのって書いてるけど、そんなの俺たちから見ればどうだっていいんだよ。
芸能人って浮気でも何でもやってないと気が済まないんでしょう? 勝手にやって勝手に潰れてよ。
売れようと売れまいと関係無いからさあ。 うざいんだよ。
誰が誰に襲われたの絡まれたのって騒ぐのもいい加減にしないかい?
そんなのはさあ、警察に任せておけばいいんだよ。 賞金稼ぎになるっしょ。
え? お前はどうなんだって? そんなのバカバカしくてやってらんないよ。
そんなに美味しい事件なんて転がってないんだから。
そこへ無線が入りました。 「中野通交番 どうぞ。」
「はいはい。 こちら中野通交番ですが、、、。」 「上吉田方面から窃盗犯が逃亡中。 検問を張ってほしい。」
「検問?」 「そう。 中央通りをそちらに向かっている。 若い男と女 二人だ。」
「了解しました。」 初めての検問活動だ。
何か知らんが身震いがする。 上吉田、、、と言えば焼けたスーパーが在るあちらのほうだね。
ママチャリに乗っかりまして犯人が逃げてくる方向を睨んでおりますと、、、。
「ねえねえ、お巡りさん そこ邪魔。」という声が聞こえます。 振り向くと無線で聞いた犯人、、、。
咄嗟に二人を捕まえまして交番へ引っ張り込みました。 二人はもがいてますねえ。
「君たち 何を盗んだの?」 静かに静かに問いかけるのですが、、、。
二人は逃げるのに必死なようですねえ。 「聞いてるんだからさあ、応えてよ。」
「何も盗んでないよ。」 「え?」
「盗んでないんだってば。」 「じゃあさあ、後ろに隠してるそれは何かな?」
若い女が意表を突かれたような顔をして俺を見た。 「謝ったってダメだぞ。 盗んだんでしょ? 出しなさい。」
でもでも、それからが大変。 出すの出さないのって押し問答を繰り返してます。
そこへ二人を追っていたパトカーがやってきました。 「ご苦労さん。 連れてくね。」
お巡りさんは俺にそう言うと二人を連行していきました。 「犯人逮捕。」
「ああ、さっき聞いたよ。 ご苦労さん。」 (軽いもんだなあ。 人の気も知らないで、、、。)
取り合えず窃盗犯は捕まったわけです。 良かった良かった。
ってさあ、俺は何をしたの? せっかく働いたんだから誉めてくれよ たまにはさあ。