魅惑の絶対君主


──と、冷静な思考ができるのもここまでだった。


さんざん優しくなぞっていた部分に急に力を込められて、堪えきれなかった声が吐息とともに零れ落ちる。



「ん……っ、ぁあ」

「はは、相変わらずここよっわ」

「〜っ、待っ、……や」

「待つわけないでしょ。オークションまであと3ヶ月しかないのわかってんの」



身をよじるたびに水面が波立って。

ちゃぷんちゃぷんって、浴槽にぶつかる音が余計に羞恥心を煽って。



「撫でてるだけなのに……冬亜感じすぎ」

「やっ! だめ、っ、ぁ」



熱がぐわっと押し寄せて、一瞬目がくらむ。

一瞬引いても、それを追い抜く勢いで上り詰めてくるから。



「さがらさん、っ、」


どこかに流されてしまいそうな恐怖から、思わずその手を掴む。

でも、もうぐったり、力なんて入らなくて。



「冬亜、こっち向いて」

「へ? ……んぅっ」

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