魅惑の絶対君主
朝方の訓練





次の日──日曜日の朝。


朝の歯磨きを終えたところに相楽さんがやってきて。



「今日の訓練は、罰として通常の倍」


そう告げるから、わたしは放心した。



「どうしてですか……っ? だって昨日、お風呂場でちゃんと……」


「開始5分でのぼせて中断させた子が何を言ってんの」


「だ、だって……湯船で相楽さんが洗い終わるのずっと待ってたから、長湯状態で……」



面倒くさそうな眼差しを向けられれば、語尾は勝手に弱くなっていく。



「このままじゃ俺の大事な時間ぜんぶ冬亜に奪われる気がする」

「………」


「早いとこ一人前にさせて、あとは楽しようと思ってたんだけどな」

「うぅ……ごめんなさい」



てっきり、オークションまでの3ヶ月間みっちり時間をかけて仕込まれるんだと思ってた。

だから、約90日の内のいくらかはサボり気味の日があってもいいじゃん……と思っていたけど。

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