魅惑の絶対君主
相楽さんは、最初にスパルタ的に教え込んで、残りは放置、という計画らしい。
面倒ごとは初めに終わらせる。
優秀な人の思考回路だと思う。
きっと、夏休みの宿題も最初の一週間で終わらせるタイプだったんだろうな……。
まあ、わたしのお世話がサービス残業じゃあ、しょうがないよね……。
「頑張ります……」
「うん。じゃあ今すぐ脱いで」
「へ?」
「俺は今日休みだから。ほら早く」
「そんな、でもまだ朝……」
「脱がないなら俺が脱がせるから。ほらバンザイしろよ」
「ひゃあっ! 脱ぐっ、脱ぐので待ってください………ベッドまで待ってくださいっ」
ジタバタ暴れるわたしの体を、相楽さんがひょいっと持ち上げた。
突然の浮遊感にびっくりして、ぎゅっと抱きついてしまう。
「よしよし。そんなにベットでしたかったんだ、ごめんね」
「〜〜っ!」
棒読みでそんなことを言われて、頭は沸騰寸前。
「やだっ……おろしてください、おろしてっ……! 相楽さんきらい、やだぁっ!」