魅惑の絶対君主

「冬亜」

「……、……」

「焦らしてんの?」

「ちが……、恥ずかしいから、自分からは、恥ずかしいです」

「頑張るって約束したでしょ」



ギシ……と相楽さんがベッドに手をついて距離を詰めてくる。

すぐ近くで見られてると思うと、余計にだめだった。



サービス残業。
手の掛かる商品。

急にそれらの言葉がのしかかってきて、重圧に押しつぶされそうで。


相楽さんに呆れられる、怒られる、見放される。

苛立たせてる……。



「ごめんなさい、ちゃんとしなきゃって頭ではしっかり思ってるんですけど、手が、全然いうこときいてくれないんです」



申し訳なさ、不甲斐なさ、悔しさ、怖さ、惨めさ。

いろんな感情が涙に変わって、ぽたりと落っこちる。



「相楽さんが脱がしてくれないと脱げないよ……」


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