魅惑の絶対君主
「──それで、明日の学校に備えて早く就寝させてくれるってことはない……ですよね」
無事に電子辞書を持ち帰り、教科書をイチから訳し直して、夜ご飯食べて。
お風呂にも入って、髪も乾かして、明日の準備もバッチリで。
あとは寝るだけ……となったタイミングで、相手のご機嫌を伺うようにしてそう尋ねてみたけど。
当然、そんな甘い考えは許されることもなくベッドに押しやられた。
「免除はできないけど、今夜からやり方を見直す」
「やり方……?」
「早く終わらせたいがためにスタート地点を高めに設定しすぎたから、俺もちょっと反省したんだよね。まさか自分じゃ服も脱げないポンコツだとは思わなかったから」
嫌味混じりにそんなことを言われて、ウッと喉奥がつっかえた。
「だからもう諦めて、冬亜のことは長い目で見ることにした」
ふう、と気だるいため息をひとつ吐いて、相楽さんがわたしの肩を抱く。