魅惑の絶対君主
すぐさま滲んだ冷や汗が再会の余韻を打ち消してしまう。
すごい。なんでそんなことわかるんだろう……。
レオくんは昔から妙に鋭いところがある。
迂闊に口を滑らせないようしないと。
お母さんが3000万の返済金代わりにわたしを差し出して家を出ていって。
わたしは借金取りの事務所が開催する裏オークションに出される予定の商品なんです……なんて、口が避けても言えない内容。
頭の中で文字にすると、改めてわたしは本当にとんでもない状況に立たされているんだなってヘンに感心してしまった。
「それに、その首のやつ可愛いね」
指を差されて初めてその存在を思い出す。
そうだった。
位置情報がリアルタイムでバレバレのGPSを付けてるんだった……っ。
いつもは第二ボタンまで開けてるシャツを、慌てて一番上まで留める。
「あー、上まで留めたら見えなくなっちゃうよ。うちの学校校則緩いからチョーカーごときでは注意されないし、隠さなくて大丈夫だって」