魅惑の絶対君主


わたしの体……ヘンなのかな……。


学校から相楽さんのマンションまで、車で25分。

車はマンションの駐車場ではなく、エントランス前で停まった。


カードキーを渡され、ひとりで部屋に入るように言われる。



「相楽さんは帰らないんですか?」

「俺はまだ仕事があるからね」

「あ……そうですよね。お忙しいのに送ってくださってありがとうございました」



わたしが車を下りると、あっさり走り去っていった。


わたしが逃げるとか思わないのかな……。

そりゃあ、万が一ヘンな動きを見せたらすぐにバレるわけだから逃亡のしようがないけど。


関心をもたれないことを喜ぶべきなのに、なぜかため息が出てくる。


なんか今日はすごく疲れた。

帰ったらすぐにお風呂を沸かそう。


今日も訓練があるのかな。

ないわけないよね。

早く終わって、ゆっくり眠れますように……。


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