魅惑の絶対君主

わたしが反論しないのをいいことに言いたい放題。

ていうかレオくん、ひねくれてる自覚あったんだ……。



「まあ、中学の頃はバカみたいに前向きな冬亜ちゃんのおかげでいろいろ救われたこともあったけど……」



なにやらボソボソと付け加えてるけど聞き取れない。

“バカ”って聞こえた気がするから、たぶん悪態をついたんだろうな。



相手にするのをやめて、ふう、とおもむろに教室を見渡すと、クラスメイトの女の子とばっちり目が合った。


人と目が合ったときのいつもの癖でにこっとしちゃう。

でも今日も気まずそうに逸らされて終わり。



中学のときはこれが日常茶飯事で、わたしは嫌われてるんだって落ち込んでけど、最近ようやく原因がわかった。




「付き合ってるの、わざわざ教室で見せつけなくていいのにね」

「ほんと。帰ってからやれよって感じ」

「中学の頃からべったりだったらしいよ。所有物扱いされてレオくん可哀想~」


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