魅惑の絶対君主

意地悪な相楽さんは、焦らすように一度唇を離して。

わたしは、考えるより先に従ってしまう。



「ん、ぁ……っ」

「そう、じょーず」



操られるように重ねて、おそるおそる熱を絡めれば、刺激はしだいに甘い疼きに変わっていく。


ゆっくりと体重をかけられて、ベッドの上に組み敷かれた。

その体勢のまま、またキスが落ちてくる。


すっかり毒の回った体は、意識しなくてもすっかり“相楽さんに従順”になってしまった。


パジャマのすそから入りこんできた指先が、肌を軽くもてあそんだだけで、びく、と反応する。


くすぐったい──もどかしい。


そうされながら、今度は鎖骨にキスが落とされる。

新しい感覚に、びくっと身をよじった。

< 144 / 245 >

この作品をシェア

pagetop