魅惑の絶対君主
……そう、幼なじみのレオくんはモテるのである。
そしてなぜか、レオくんとわたしが付き合っていると、みんなに誤解されているのである。
中学の頃からべったり……。
あながち間違ってないけど、語弊がある。
――遡ること約十年前。
わたしたちが小学生だったころ。
レオくんのご両親はとてつもなく仲が悪くて、レオくんがいるから離婚しない、というぎりぎりな状態だった。
当時近くに住んでいたわたしも、レオくん宅から喧嘩の声が聞こえてくるたびに気が気じゃなくて。
罵声だけじゃなく、時おり物が倒れたり食器が割れたりする音も聞こえてたから、そうとう酷かったんだと思う。
わたしはよく、お母さんが男の人と遊びに行くタイミングを見計らってレオくんを自分の家に避難させていた。
やがてレオくんは親戚の伯父さんの家に引き取られることになって、わたしたちは一旦離れ離れになった。