魅惑の絶対君主
離れ離れといっても、レオくんの伯父さんの家は同じ市内にあったから、中学であっさり再会できた。
……のはいいものの。
再会した瞬間から、レオくんはわたしにべったりになってしまったのである。
わたしと会わない間に人間不信をこじらせていて、小学校ではろくに友達もつくらなかったそう。
実子がいる伯父さんとの関係もあんまり上手くいってないみたいだった。
一方で、冷たくてぶっきらぼうながらも顔が整っているので、どこか影のある雰囲気がスパイスとなり、女の子からの人気が大爆発。
よってわたしの中学三年間は、家庭環境に悩むレオくんに寄り添い、女の子に迫られて疲れ果てるレオくんを労わっていた記憶しかない。
友達もいたにはいたけど、どの子との関係もどこかぎくしゃくしていた。
今思えば、わたしがモテモテのレオくんと四六時中いっしょだったことが原因で間違いないと思う。